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このブログでは、障害のある子どもの支援者向けに『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

落ち着きがなくて忘れ物がめっちゃ多い子どもがおるんやけど…これってADHD(注意欠如・多動症)なん?

ええ質問やね😊 でも、「落ち着きがない=ADHD」って決めつけるのは、ちょっと早い。実は、ADHDによく似た「疑似(ぎじ)ADHD」っていう状態もあるんよ。

ADHDじゃないけど、ADHDみたいな行動をする場合があるってこと?

そう。だから、子どもの様子をよく見ずに、「ADHDや」って決めつけて支援・対応をし続けると、支援がズレて、関係が悪化しちゃうことになるんよ😭

だから、しっかり勉強して、そこらへんの違いを押さえる必要があるんやね🥰

今日は、ADHDと疑似ADHDの見分け方から、支援のコツまで、まるっと解説していくで🍀
この記事でわかること
・困り感の正体:「実行機能」とは?
・ADHDと疑似ADHDの見分け方
・ウィスク5でわかる5つの能力
・実行機能(意思決定・プランニング)の高め方
▼今回の内容をまとめた勉強ノート


今回は次の2冊で勉強してきたで♪

👆特性について整理して知りたい人にオススメ。発達障害だけじゃなくて、愛着障害・他の精神障害との関係も詳しく解説してくれてるから、支援の幅が広がるで😊

👆上の本のマンガバージョンでめっちゃ理解しやすかった👍️ 内容は濃いから、「何から勉強したらいいかわからん」っていう人は、この本をまずは読んでみてほしい😊
▼解説動画もあります
困り感の正体は「実行機能」

「落ち着きがない・忘れ物が多い」とかで、生活が混乱するのは「実行機能が弱い」からやって言われるねん。

実行機能ってなに?
実行機能とは…
目標に向かって計画を立て、最後までやり遂げる力

具体的には5つの力があるって言われてるねん😊
実行機能の5つの力
① 意思決定:目的を決める力
② プランニング:計画をたてる力
③ 逐次(ちくじ)処理:注意を維持する力
④ 同時処理:注意を配分する力
⑤ 柔軟性:注意や方向性を切り換える力
実行機能の5つの力【セルフチェック】

うーん、難しい…😭 実行機能の5つの力をもっとわかりやすく教えて。

下のセルフチェックシートを見てみて😊 5つの力ごとに具体例が2つずつ。この具体例の2つともに当てはまったら、その力に課題があるかもっていうのがわかるで。
実行機能セルフチェックシート
① 意思決定(目的を決める力)
・予定のない買い物をしてしまうことが多い
・その場の気分で行動しやすい
② プランニング(計画をたてる力)
・計画どおりに動くのが苦手
・説明書を読まずに、いきなり作り出してしまう
③ 逐次処理(注意を維持する力)
・飽きっぽくて、何ごとも長続きしない
・根気のいることが苦手
④ 同時処理(注意を配分する力)
・瞬間的な判断が苦手
・2つのことを同時にすると、効率がガタ落ちする
⑤ 柔軟性(注意や方向性を切り換える力)
・一度やり出すと、変更するのが苦手
・同じ失敗を繰り返しやすい

同じ「生活が乱れやすい」っていう特徴でも、5つのうち、どの力に課題があるかで、支援の内容は全然違ってくるんよね👍️
検査でわかる実行機能

チェックしてみたら、当てはまる項目がけっこうあったわ…。これって全部、検査でわかるん?
実行機能は検査でわかるの?
③逐次処理・④同時処理はわかる
➜知能検査(K-ABC2やウィスク【処理速度】)
①意思決定・②プランニング・⑤柔軟性はわからない
➜一般的に行う検査では出てこない

③と④は、知能検査(K-ABC2やウィスク【処理速度】)でわかるから、詳しく知りたい人は次の記事を見てや🙏

逆に、①②⑤は検査を受けてもわからないん?

そうやねん🌟 だから、検査の点数だけ見てても、困り感の正体が見えないってことやね。ここは大事なポイントやで。

どうすればいいん?

子どもの様子や行動をよく見ること。検査の数値には出なくても、生活が乱れやすいっていう子どもの困り感をよく見ることやね。
実行機能と発達障害(ADHD)の関係

実行機能が低かったら発達障害なん?

発達障害の中で、実行機能と関係してるのはADHD(注意欠如・多動症)やね🍀つまり、ADHDは実行機能の弱さがハッキリ出やすいんよ。
◎実行機能から見たADHDの特徴
①意思決定・②プランニングが低い
待つのが苦手(=遅延報酬障害)、時間管理が苦手(=時間処理障害)
③逐次処理:注意力が続かない
作業スピードは速いのに、慣れてくると集中が切れて、ミスが増える

「待つのが苦手」やと具体的にどうなるん?

たとえば、目先の快楽を優先して、明らかに損なことをやり続けてしまう。だから、ギャンブル依存なんかにもなりやすいって言われてるんよ。

目標に向かって計画的に最後までやり遂げることができなくて、途中で別の誘惑があればそっちを優先してしまうんやね。

発達障害は生まれつき。だからこそ、「なまけ」とか「本人の責任」じゃなくて、適切な支援をしていく必要があるんやね。
ADHDと疑似ADHDの見分け方

最近はADHDの数が増えてるんやっけ?
ADHDの数が子どもで2倍以上、大人で21倍も増えた
2010-2019年度の間に0-6歳で2.7倍、7-19歳で2.5倍、20歳以上で21.1倍に増加
【参考】信州大学「2012 年から 2017 年にかけて大人の ADHD の診断数が日本で急増-全国の診療データベースを用いた大規模疫学調査-」

でも、発達障害は生まれつきの脳の機能の障害。だから、人数が急激に増えるっていうのは変やねん😭

じゃあ、なんで増えてるん? ADHDが一般的に理解されるようになったってこと?

確かに、ADHDが認知されるようになったことも関係ある。でも、ADHDに“まぎらわしいケース”も混じってるって言われてるんよ。その1つが疑似ADHDやね。
他にも、事故などで前頭前野(ぜんとうぜんや=脳のブレーキ役)を損傷すると、ADHDそっくりの状態が出ることがある。例えば、行動のブレーキが効きにくい・待つのが苦手・衝動が止められない・同じ失敗をくり返す、など

ADHDと疑似ADHDはどう違うの?
ADHDと疑似ADHDの違い
①原因
②困り感が出る時期
③知能検査の数値

1個ずつ説明していくで〜😊
①原因の違い

ADHDと疑似ADHDは、行動は似てるんやけど、そもそもの原因が違うねん。
原因の違い
ADHD:遺伝の要因が6〜7割
疑似ADHD:後天的な要因
➜精神疾患、うつ、不安障害、依存症、愛着障害などが背景にある

へぇ。ADHDは生まれ持ったもんなんやね。

そうやねん。一方、疑似ADHDは、育ちや心の状態など、後からの要因が大きいんよ。だから対応や支援も変わってくるんよね🍀
②困り感の出る時期の違い

困り感が出てくる時期が違うの?
困り感の出る時期の違い(12歳がポイント)
ADHD:多動・衝動性・不注意が12歳までに始まる
➜年齢を重ねると、少しずつマシになることが多い
疑似ADHD:12歳以降により強まる
➜年齢を重ねると、どんどんキツくなることがある

さらに、疑似ADHDは、他の症状(気分障害・依存・過食・解離など)を伴うことも多くて、根っこに愛着障害があるケースもあるんよね😭
③知能検査の数値の違い

知能検査ってなに?

例えば、知能検査のウィスクでは、ADHDと疑似ADHDで苦手な能力が違うんよ。
知能検査の数値の違い
ADHD:男性に多い
➜言語理解・処理速度が低めに出やすい
疑似ADHD:女性に多い
➜イメージする力(視空間・流動性推理)が一番低く出やすい

言語理解・処理速度・視空間・流動性推理ってなに?

これらはウィスクっていう知能検査でわかる能力のこと。次の章で詳しく説明するで👍️
💡「見分け方」のまとめ
見分けの3点は【原因(遺伝/後天的)】【困り感の出る時期(12歳まで/12歳以降強まる)】【知能検査の数値(言語・処理速度/イメージ力)】
ウィスク5(WISC-V)でわかる5つの能力

さっき出てくる「ウィスク」ってなに?

ウィスクは、よく実施される知能検査の1つやね。全般的な知能のレベル(FSIQ)と、次の5つの能力がわかるんよ。
5つの能力の中身

ウィスク5でわかる5つの能力ってなに?
ウィスク5でわかる5つの能力
①言語理解【言葉の力】
言葉の理解力、やりとりする力
②視空間【見る力】
どこに何があるかイメージしたり理解する力
③流動性推理【見る力】
その場の状況を判断して対応する力
④ワーキングメモリ【作動記憶・短期記憶】
見た・聞いたことを少し覚える力
⑤処理速度【見て単純作業をする力】
文章などの単純作業を早く正確に行う力

ちなみに、ひとつ前のウィスク4(WISC-Ⅳ)では4つの力やったんよ。気になる人は、次の「変更点」も要チェックやで⚠️
ウィスク4からウィスク5への変更点
◎知覚統合(知覚推理)➜「視空間」「流動性推理」に分かれた
◎ワーキングメモリは「聞く力」だけ➜「見る力」もわかるようになった
検査では「測れない実行機能」がある

最初に説明したけど、生活が乱れやすいのは「実行機能が弱いから」やったよね🍀
実行機能の5つの力
① 意思決定:目的を決める力
② プランニング:計画をたてる力
③ 逐次(ちくじ)処理:注意を維持する力
④ 同時処理:注意を配分する力
⑤ 柔軟性:注意や方向性を切り換える力

一般的な知能検査(ウィスク)では、「測れない実行機能」もめちゃめちゃ大事やねん。それが【意思決定】と【プランニング】の力やね。

この2つの力が弱いとどうなるん?
【意思決定】と【プランニング】の力が弱いと…
・誰かに駆け寄ろうとして、車にひかれそうになる
・予定外の買い物をしすぎて、自己破産してしまう
・場当たり的に動いて、けっきょくやり直しになる

つまり、知能検査の数値は悪くないのに、生活がうまく回らない…そういう子は、この“測れない2つの力”が弱いこともあるんよ。
意思決定とプランニングの力を高めるには?

知能検査の数値にあらわれない【意思決定】と【プランニング】の力を高めるにはどうすればいいん?

ええ質問やね👍️ それぞれの力を高める方法をいくつか紹介するで😊
意思決定の力を高める:マインドフルネス

【意思決定】の力、つまり【目的を決める力】を高めるには、「マインドフルネス」が効果的やっていわれてる😊
マインドフルネスとは

マインドフルネスってなに?
🧘 マインドフルネスとは?
瞑想しながら呼吸や身体感覚に注意を向けて、ありのまま感じる
毎日3分でも、とらわれが和らぐ効果がある
➜雑念が減って集中が高まり、うつや不安も和らぐ

瞑想することで意思決定がうまくなるん?

なるんよ😊 具体的には“最小最悪意思決定”ができるようになる。
最小最悪意思決定とは

最小最悪意思決定…? ってなに?
最小最悪意思決定とは?
「一番良い選択」を選ぼうとするんじゃなくて、「最悪を避ける選択」をすること

選択肢があったときに、「一番良いものを選ぶ」じゃなくて、「一番ダメなものを選ばないようにする」ってことか😊

最小最悪意思決定ができると、大ケガをせずに、迅速な意思決定ができるようになっていくんよね😊
補足:大きな決断をするとき

【意思決定】や【プランニング】の力が弱いと、大きな決断を深く考えずに勢いで決めてしまうことがあるんよ。

「大きな決断」ってなに?
大きな決断とは?
・マイホームの購入
・車の購入
・結婚相手 など

こういう大きな決断をするときには、どんなことに気をつければいいの?

大きな決断を深く考えずに勢いで決めてしまう人は、ぜひ次のことを試してほしい😊
大きな決定をするときに…
・すぐに決めない
➜手に入れるのを焦らない習慣をつける
・決めるときは、メリット・デメリットを点数化する
➜数週間後にもう一度点数化して、考え直す
・複数の信頼できる人の意見を聞く
➜あえて厳しいことを言ってくれる人にも聞く
プランニングの力を高める:小さな積み重ね

【プランニング】は【計画をたてる力】のことやったね😊 どうやったらこの力を伸ばせるん?

プランニングは実践あるのみ。「企画・計画 → 実行 → 修正」をくり返して、積み重ねていくんよ。
プランニングを高める実践の具体例
・おこづかいの管理
・旅行の計画
・夏休みのスケジュールづくり
※「企画・計画 → 実行 → 修正」を実際にする

なるほど、特別なことじゃなくてええんやね。

特に子どものプランニングの力を伸ばすときのポイントは「計画する楽しさ」を味わわせること😊

子どもに「計画する楽しさ」を感じてもらうために、まわりの大人はどんなことができるかな?
子どもへの声掛けの具体例
・もっと効率の良いやり方はある?
・どんなスケジュールで課題をクリアしていく?
・タイムスケジュールはこれでいいかな?
※大人はあまり口を出しすぎない
➜子どもが失敗を経験できるのも大切

こういう日々の積み重ねが、意思決定やプランニングの力を高める練習になるんやで🍀
▼「実行機能」のタイプ別の対処法や他のトレーニング方法は、次の記事で詳しく解説してます😊
よくある質問(FAQ)
疑似ADHDは「治る」の?

疑似ADHDって治るん?

薬でパッと「治る」って感じじゃないけど、改善していける可能性はあるで😊
◎ADHDは生まれつきの特性
➜特性を理解して「環境設定」をすることが重要
◎疑似ADHDは後天的な養育環境が原因
➜背景(愛着の問題・うつ・不安など)へのアプローチで改善

だからこそ、見分けが大事なんやね🍀
「疑似ADHDかも?」と思ったら、どうすればいい?

「疑似ADHDかも?」と思ったら、どうすればいいん?

疑似ADHDだけじゃなくて、どんな状況でも言えるけど、「もしかして障害かも?」と思ったときに注目すべきは「どれだけ困ってるか」ということ。

疑似ADHDの特徴があっても、日常生活で困ってなかったら、障害じゃないってことか😊

そして受診のときは記録が大事📝 困り感が「いつ・どんな場面で起こるのか」「他の症状はあるか」をメモして、児童精神科や発達外来などの専門機関に相談すること🍀
実際に受診をするときには、記録のメモが診断の大きなヒントになる
愛着障害との関係は?

今回の記事で、「愛着の問題」とか「愛着障害」の言葉が出てきたけど、愛着障害と関係あるん?

疑似ADHDの根っこに、愛着の問題や愛着障害があるケースも多いんよ。愛着障害のタイプと見分け方は、次の記事で詳しく解説してるで😊
今回のまとめ

今回も、いっぱい学ぶことができたわ😊
今回のまとめ
・困り感の正体:「実行機能」とは?
①意思決定/②プランニング/③逐次処理/④同時処理/⑤柔軟性
・ADHDと疑似ADHDの見分け方の3ポイント
①原因(遺伝/後天的)、②困り感の出る時期(12歳まで/12歳以降強まる)、③知能検査の数値(言語・処理速度/イメージ力)
・ウィスクでは測れない実行機能
意思決定・プランニングの高め方

まずはこの記事の最初に紹介した【実行機能チェックリスト】で、子どもの様子をよく見てや😊 そのうえで、その子に合った支援を見つけていこね🍀

今回もいっぱい勉強できたし、次は行動あるのみやね😊

うん😊 一緒に勉強して、いっぱい試行錯誤していきましょ🍀

参考にした本・資料

👆特性について整理して知りたい人にオススメ。発達障害だけじゃなくて、愛着障害・他の精神障害との関係も詳しく解説してくれてるから、支援の幅が広がるで😊

👆上の本のマンガバージョンでめっちゃ理解しやすかった👍️ 内容は濃いから、「何から勉強したらいいかわからん」っていう人は、この本をまずは読んでみてほしい😊
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