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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

障害のある子どもが、親元を離れて施設で生活する方法があるって聞いたんやけど、ほんま?

ほんまやで。今回は「障害児入所支援」という制度が、どんな支援なのか、誰が対象なのか、どうやって利用するのか、をわかりやすく解説していくわ。
この記事でわかること
●障害児入所支援の概要と具体的な手続きの流れ
●施設の種類と選び方
●子どもの障害の伝え方
この記事を読むことで、「障害のある子どもが施設で暮らす」という選択肢を知ることができます。

選択肢を知るだけで、親は気持ちが楽になったり、支援者は対応の選択肢が増えて、まわりから信頼されるようになるで。
▼動画もぜひ見てください!
▼勉強ノート(内容を1枚にまとめたで)

スタートもゴールも、親の気持ち・決意

障害のある子どもを育てる親の気持ちって、ほんまに複雑やねん。
障害のある子どもを育てる親の複雑な気持ち
愛してるけど、もう疲れちゃった
笑顔でいたいけど、涙が出る
親として、子どもを手放していいのか…

障害児を育てて慣れる部分はあっても、やっぱりしんどいことが多いんよね。
入所を決めるのは親自身

複雑な気持ちを抱える中で、入所について決めるのは“親自身”しかいないんやで。
障害児入所を考えるときも、入所した後も、大切なのは「親の気持ちと決意」

まわりが良かれと思ってどんどん話を進めてしまうと、後で問題になることもあるんやで。
周囲ができることは?

じゃあ、親以外のまわりの人ができることはないの?
周囲ができること
・悩んでいる親の相談にのる
・「入所」という選択肢もあることを伝える

「子どもを預けられる場所がある」と知るだけで、親の気持ちが楽になることもあるんやで。

「選べない」っていうのが苦しいから、選択肢を知っているだけでもけっこう違ってくるんやなぁ。
障害児入所の対象と施設の種類

障害児・障害のある子どもの入所支援についてもっと詳しく教えて!

わかったで。1個ずつ勉強していこか。
対象:どんな子どもが入所できるの?

障害児ってあるけど、どんな子どもが入所できるの?

入所の対象は障害のある子どもやで。
障害児入所支援の対象になる子ども
児童相談所や医者に「入所が必要」と認められた18歳以下の障害児
※身体障害/知的障害/精神障害/発達障害

あくまでも、「必要性」が認められた障害児やから、手帳のある・なしは関係ないんやで。

つまり、手帳がなくても入所できるってことか!
期間:いつまで利用できるの?

もし入所した場合は、いつまでその施設におることができるん?

障害のある子どもの施設入所の支援やから、基本は18歳までやで。
障害児入所支援は何歳まで利用できる?
基本は18歳まで利用できる。
※特別な事情(進路が決まっていない場合など)があれば、22歳まで利用可能

令和6年度から、22歳まで入所を継続できるようになったんやで。(それまでは特別な事情があっても20歳まで)。
参考:令和4年改正児童福祉法に基づく検討状況等について

進路が決まるまで安心して過ごせるようになってるんやね。
入所施設は福祉型と医療型の2種類

実際に入所するのは、どんな施設なん?

障害のある子どもが入所できる施設は主に2つあるで。
障害児が入所できる施設
①福祉型 障害児入所施設
②医療型 障害児入所施設

福祉型と医療型?

1つずつ説明していくで。
① 福祉型 障害児入所施設

1つ目は、福祉型障害児入所施設やで。

福祉型?

うん。福祉型は、日常生活の練習・生活の支援をしてくれるねん。
福祉型の主な支援内容
・着替え、食事、排泄などの支援
・感情・行動のコントロール支援
・コミュニケーションの練習 など
福祉型の対象:どんな障害の子どもが多い?

福祉型に来るのはどんな障害の子どもが多いん?
福祉型の対象となる障害
知的障害/自閉スペクトラム症/視覚・聴覚障害/肢体不自由/精神障害/強度行動障害

強度行動障害ってなに?

強度行動障害は、自傷・他害(他人を攻撃する)・物の破壊などを頻繁にしてしまう障害やで。下の動画をみたらイメージしやすいで。

強度行動障害の詳細・支援の方法について、もっと知りたい人は下の記事を見てや。

あと、精神障害って病院のイメージがあるけど、福祉型に入所するんやね。

うん。ただし、日常的に医療のケアが必要な場合は医療型に行くこともできるんやで。
福祉型を選ぶポイント
・生活の介護や訓練が必要
・医療的ケアが少ない
② 医療型 障害児入所施設

2つ目は、医療型障害児入所施設やで。

医療型?

日常生活の支援に加えて、医療的ケアが必要な子どものための施設やで。
医療的なケアの例
・痰(たん)の吸引
・酸素の管理
・常時の服薬/医療処置
医療型の対象:どんな障害の子どもが多い?

医療型に来るのはどんな障害の子どもが多いん?
医療型の対象となる障害
自閉スペクトラム症/肢体不自由/重症心身障害

重症心身障害ってなに?

重症心身障害は、重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複してる状態やで。下の動画を見てもらうと、障害をイメージしやすいで。
福祉型か医療型:決め方のポイントは?

なんとなくイメージできたけど、福祉型か医療型を決めるときのポイントはあるの?

ポイントはずばり、医療的ケアがいるかどうかやな。
医療的なケアの例(おさらい)
・痰(たん)の吸引
・酸素の管理
・常時の服薬/医療処置

日常的な医療的ケアがいる場合は医療型やで。
施設選びの決め手は医療的なケアがいるかどうか?
・医療的ケアがいらない(少ない) ⇒ 福祉型
・医療的ケアがいる ⇒ 医療型

こうやって整理すると、どの施設が合ってるかが見えてくるね。

大事なのは「何の障害か?」ではなく「必要な支援は何か?」っていうこと。だから、その子に合った入所先を相談していくのが大切やで。
「入所施設」入所までの流れ

じゃあ、具体的に入所するまでの流れを教えて!
入所までの基本的な流れ
⓪スタートは「親の決意」
①児童相談所に相談
②入所施設の見学・体験入所
③契約&入所日の決定
⓪スタートは「親の決意」

まずは、親が「障害のある子どもを入所させる」と決めることや。

ずっと育ててきた子どもを手放すっていうのは、覚悟のいることやもんな。
複雑な親の気持ち
・本当に入所させていいのかな…
・親としての責任はどうなる…
・まだ限界じゃないし、頑張れる…?
親が元気なうちに手続きをすることの大切さ

限界まで頑張ってしまいがちやねんけど、理想としては、親が限界を迎える前、つまり、親が元気なうちに手続きを進めてほしい。

なんで?
親が元気なうちに手続きをしてほしい理由
・すぐに入所できないため「なにかあってから」では遅いから
・親が中心になって、関係機関への連絡・手続きをするから

だから、限界を迎える前に、障害のある子どもの入所について考えたり、準備しといた方が良いんやね。

親が倒れた後で「入所先を探す」のは、本当に大変やねんで。
現状を変える不安

あと、親が入所をためらう気持ちとしては、現状を変える不安があるねん。
現状を変える不安
●転校(今の学校が変わる)
●今の放課後等デイサービスが使えなくなる
●今の相談支援員が変わる

子どもが安心できてる居場所(学校や放課後等デイサービス)や信頼できる支援員さんがいればいるほど、現状を変える不安は大きくなるんやね。

確かに、住む場所がかわるのは大きな変化やね。

いろんな不安を乗り越えないとあかんから、親の決意がまず大切になってくるんやで。
①児童相談所に相談

実際に手続きを進める上では、まずは自分が住んでる地域の児童相談所に相談することやで。

児童相談所なん?
入所支援制度は児童相談所の管轄
・入所支援制度の説明
・必要な書類の案内を受ける

このときにいろんな質問もできそうやね。
②施設の見学・体験入所

次は実際に入所したい施設を探して、見学をする。

入所したい施設はどうやって探したらいいん?

施設一覧とかはネットで出てくるで。ただ、子どもに合った施設が良いから、児童相談所・学校・相談支援員さんたちと相談したらええで。

施設の候補が出たら、実際に見学に行かせてもらうんやね。
見学・体験入所のポイント
・安心して過ごせそうか?
・落ち着いて過ごせそうか?

できれば、親の見学だけじゃなくて、子ども自身も見学に行った方が良いで。そして、施設と相談して、数日の入所体験もできればもっと良いね。

けっこう時間がかかりそうやね。

うん。空きがない施設も多いから、早めの行動が入所のカギやで!

申し込みをしても、すぐに入れるわけじゃないんやね…。
施設によっては空きがない
4月は入所してる子どもが入れ替わる時期なので、「来年度から入所したい」場合は、3月より前に相談しておく。
③契約&入所日の決定

入所する施設が決まったら、いよいよ契約して、入所日を決めていくで。

入所日はどうやって決めるの?

入所する施設の都合が一番かな。「○月△日以降だと入所できます」とか「土曜日なら入所できます」とか言われるから、具体的な日にちを決めていくんやね。

このときに気をつけることはある?

転校とかもあるし、関係機関とこまめに連絡を取り合うことが大切やで。
連絡を取るべき関係機関
・児童相談所
・入所先の施設
・学校(在学してる学校、転校先の学校)
・相談支援員(いる場合)
・市町村などの役所

親が中心になって、それぞれの機関とほぼ同時進行でやり取りを進めていくんやで。
子どもの障害を正しく伝えるには?

施設に子どもの障害の状態を伝えるって難しいよね。でも、ちょっとしたコツを意識するだけで、伝わり方がガラッと変わるで。
子どもの障害を正しく伝えるコツ
①事実と感情を分けて伝える
②複数の場面の様子を伝える
③できること・好きなことも伝える
コツ① 事実と感情を分けて伝える

障害を伝えるコツの1つ目は、事実と感情を分けて伝えること。

事実と感情?

入所の相談では、限界がきてる親も多いから、ついつい感情(つらい、悲しい、限界だ、など)を話してしまうんよね。

確かに感情で話されても、障害の状態はイマイチわからんね。じゃあ事実を伝えるにはどうすればいいの?
事実を伝えるときのポイント
・数字や記録で伝える
例)10分以上、4月10日に…など
・写真や動画を使う
例)日常の様子やパニックの動画

具体的にはどんなこと?
事実を意識した伝え方
✖落ち着きがなくて困ってるんです
➡◎10分以上座っていられません
✖毎日涙が出そうになります
➡◎うつ病の診断を受けました
✖もう限界です
➡◎子どもが夜中に3回以上は起きます

動画が特にオススメやで。日々のルーティンや困ったときの動画を見せながら、数字や記録を意識しながら伝えられればいいね

例えば、パニックの動画を見せながら、「この状態が10分間続いたんです」とか「4月10日11日に続けてありました」みたいに説明していくってことやね。
コツ② 複数の場面の様子を伝える

障害を伝えるコツの2つ目は、複数の場面の様子を伝えること。

複数の場面ってなに?

家庭での様子だけじゃなくて、外出先や学校での様子も伝えるのが大事やねん。
複数の場面の様子を伝える
家庭・外出先・学校などの様子を伝えることで、障害に対する理解が深まる

問題行動が「家庭だけで起こる」のか「集団でも見られる」のかで、環境設定が変わってくるんよ。

環境設定?

例えば、その子が集団の中にいるほうが、自分をコントロールしやすい場合。こんなときは、集団での活動を多く取り入れたら良いよね。

家と学校での子どもの様子って違うの?

かなり違うで。たとえば、家では甘えてできないことが、学校ではできたりすることもある。場所や関わる大人によって、できること・できないことが変わるんやで。

じゃあ、複数の場面の様子を知っとくためにも、家と学校でしっかり連携を取っておくことが大切なんやね。
コツ③ できること・好きなことも伝える

障害を伝えるコツの3つ目は、困りごとだけじゃなくて、「できること・好きなこと」も伝えること。

入所をさせたいから、「どれだけ困ってるか」を伝えた方が良いんじゃないの?

困ってることももちろん大事。でも、その子が「できること・好きなこと」も、受け入れる側にとっては、かなり知りたい情報やで。
できること・好きなことも伝える
・折り紙に集中して取り組める
・静かな環境だと落ち着いて過ごせる
・パズルだったら1時間継続できる

こういう情報も必要なんやね。

受け入れる側にとっては、その子の日々の活動を考えるヒントになるんよね。まずはその子が安心して過ごすことで、日常生活の練習も効果が上がるからね。
さいごに【行動しよう】

今回は障害のある子どもの「施設入所支援」について学んできたけど、この選択肢を持つっていうことがまずは大事やで。

その上で、入所の可能性があるなら、親が元気なうちに手続きを進めていくのが良いんやね。

知識は力。今の小さな積み重ねが、より良い未来を生み出していくんやで。

知った上で、「いつでも行動できる」っていう状況をつくっとくんやね。

これからも一緒に学んでいこう♪








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