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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

今日のテーマは「知能検査」?

知能検査の結果を子どもの進路選択にどう活かしていくかっていう話。
なぜ知能検査と進路の関係を学ぶのか?
・子どもに合った進路選択ができる
・IQの数値だけに振り回されなくなる
➡冷静に判断できるようになる
質問

こんな質問もらったで♪
初めまして。知的障害を持つ小6男児の母です。小4で受けたWISC(ウィスク)検査の時に検査をする方や場所に警戒して、顔を伏せて反応をしなかったり、離脱してしまい検査がきちんと出来ませんでしたが、やった分だけで結果を出したところIQ47という結果でした。
これを小学校の先生に見せたところ、「中学は、特別支援学校の方が良いのでは」と言うお話がありました。見学も行きましたが、親としては中学までは市内の中学校の特別支援学級を希望しています。その結論は厳しいでしょうか。

押さえてほしいポイントは2つ
① IQだけで決まるわけではない
② 子どもの生活面・学習面・集団の中での様子を総合的に見て判断していく
そもそもIQってなに?

そもそも知能検査で出てくるIQってなに?

IQは知能指数のことやな。
IQ(知能指数)ってなに?
知能:記憶力・情報処理能力・知識・読み書きなどの力
➡こんな力が「全体の中でどの位置にあるか」を示したのが知能指数

例えば、10歳の子どもが、他の10歳と比べてどの位置にあるかを見るのが、知能指数やねん。平均やとIQ100やで。


知能の面で比べたときに、他の子どもよりもできたら100より大きくなる。逆に、できなかったら100より小さくなっていくってことか。
IQによって軽度・中度・重度・最重度知的障害に分けられる

知的障害はIQで決まるの?

IQをベースにして、「日常生活でどれだけ自立してるか?」を踏まえて、軽度から最重度知的障害まで診断されるんよ。

子どもの自立を判断するポイント
・自分で服の着脱ができるか
・清潔を保つことができるか
・トイレ(便のふき取りなど)ができるか
・友達とやり取りができるか
・食事やお風呂に見守りが必要か
などなど
IQは子どもの得意苦手、状態によって幅がある

知能検査のIQは将来もずっと変わらないの?

変わるで。そもそも、IQは子どもの得意苦手、状態によって幅があるものやねん。
IQの数値は変わることがある
・読み書き障害があると低く出やすい
・場面緘黙があると低く出やすい
・検査会場の環境や検査の人によって変わる
・子どもの状態によって変わる
例:落ち着いてる時期、時間帯か?/精神状態はどうか?など

読み書き障害や場面緘黙をもっと知りたい人は、下の別記事を参考にしてや。
信頼区間

質問者さんが受けたWISC(ウィスク)には、IQの数値は幅があるって言うことを【信頼区間】っていう形で明記してくれてるねん。

信頼区間?
信頼区間とは
例えば、検査結果に…
【IQ90(90%信頼区間85~95)】と書いてあったら
➡【同じ検査を100回受けたら、90回は85~95の間に入る】という意味

上と下で10違うって大きな差やね。


この表を見ても、「IQで10変わる」のが大きいことやっていうのがわかるね。
結局、どうすればいいの?

じゃあ、質問者さんはどうすればいいの?
質問のおさらい
初めまして。知的障害を持つ小6男児の母です。小4で受けたWISC(ウィスク)検査の時に検査をする方や場所に警戒して、顔を伏せて反応をしなかったり、離脱してしまい検査がきちんと出来ませんでしたが、やった分だけで結果を出したところIQ47という結果でした。
これを小学校の先生に見せたところ、「中学は、特別支援学校の方が良いのでは」と言うお話がありました。見学も行きましたが、親としては中学までは市内の中学校の特別支援学級を希望しています。その結論は厳しいでしょうか。

IQ47やと、「中度知的障害」って判断されて特別支援学校の対象になりやすいのは確かやね。
押さえておきたいポイント
・IQはあくまで「目安」
・子どもがどんな環境なら安心して過ごせるのか
・生活面、学習面、集団の中での様子を見て総合的に判断していく

だから、身近な人の意見ってめっちゃ大事やで。小学校の先生が「支援学校がいい」と言った結論よりも理由をしっかり聞いてほしい。

確かに「ウィスクの数値だけで判断してる」のか「子どもを見て、マンツーマンでの支援が必要だと感じてるから」かによって、進路先も違ってくるよね。

そして最終的には、地元の教育委員会の就学相談で話し合いながら決めていくと思うで。(小学校を通して就学相談は申し込めるはず🍀)
実際に受け持ってきた子どもたちの例
😊IQが高い(具体的には、軽度知的障害にもならずに手帳が取れなかった)子どもでも、医者の診断書(強いこだわりと吃音)で、特別支援学校に入学
😊IQが低くても(知的障害の手帳を持っていた)、中学校の特別支援学級から普通高校に入学。そして、卒業していった。トラブルはあったけど、話がしっかりできる子やったし、勉強に対して前向きでガッツもあったから、普通高校でも頑張っていた
😊IQが高くても、発達障害の特性が強くて辞めていった子どもなど

IQを1つの目安として考える。その上で、最後は目の前の子どもを見て総合的に判断していくのが大事なんやで。
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