※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています。
このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。
発達障害はこだわりが強いって聞くけど、どういうことなん?
じゃあ今回は、こだわりについてじっくり学んでいこか
こんな方に読んでほしい
●こだわりのある子どもにどうやって関わったら良いのかわからない
●こだわりの強い子どもへの集団生活での指示の方法に迷っている
●支援をレベルアップをしたい
今回の記事でこだわりの強い子どもの問題行動にうまく対応でき、良い関係を結べるようになります。
絶対にできるようになるからね!今日は次の本で学んだよ♪
👆発達障害を特性ごとにわかりやすく説明してくれてるで。今から学ぶ人にもより詳しく知りたい人にもオススメできる一冊!
▼今回の記事の動画版もあります▼
▼今回の内容を1枚にするとこんな感じ▼
※高画質な画像はX(旧ツイッター)にアップしています。https://x.com/manabu_syogai/status/1835861030209208626
こだわりが強いのはASDの特性
こだわりが強い人はどんな診断がつくの?
発達障害のひとつ、自閉スペクトラム症(ASD)の診断が出る人が多いよ
自閉スペクトラム症(ASD)の特徴
【社会的コミュニケーション障害】+【2つ以上のこだわり症状】
下の①~④のうち、2つ以上のこだわりがあったらASDって診断されるんよ。詳しくは下の方で解説するから、今は(へぇー)ぐらいで流し読みしてくれたらええで。
こだわりの4タイプ
①同じ行動や単純な動きをくり返す
②特定の行動・思考パターンにこだわる
③特定の対象への強い執着
④感覚過敏または鈍感
ちなみに、【社会的コミュニケーション障害】と【2つ以上のこだわり症状】の両方で自閉スペクトラム症(ASD)やねん。だから、友達とそれなりに会話や付き合いができている場合は強いこだわりがあってもASDの診断がでないことがあるねん。
自閉スペクトラム症(ASD)じゃなくても、こだわりが強い子どもはおるってことやね。
大事なことは【こだわり】っていう特性を理解して、効果的に対応していくことやね。だからASDかどうかではなく、こだわりの中身を理解することが重要やねん。
▼社会的コミュニケーション障害について知りたい人は次の記事を見てください。
こだわりの4タイプ
こだわりって聞くとなんとなくイメージはできるけど、どういうこと?
こだわりの強い子どもは、こだわってることを止められたり、邪魔をされると強いストレスを感じるんよ。そして、こだわりは4つのタイプに分けることができるで。
こだわりの4タイプ
①同じ行動や単純な動きをくり返す
②決まった行動・思考パターンにこだわる
➡①よりも複雑な一連の行動。柔軟性のない考えや視点、融通が利かない思考。
③特定の対象への強い執着(○○マニア)
➡①②のような繰り返しではなく、細部へのこだわりとそれ以外への無関心。
④感覚過敏
➡五感(視覚👀、聴覚👂、味覚👅、嗅覚👃、触覚👆)が敏感
例えば、大きな音が苦手・偏食・特定のにおいが好き/嫌い・触られるのが苦手など。
①~④共通の特徴:自分が気にしていることへの強いこだわりとそれ以外に対する無関心。
へ~、感覚過敏もこだわりに入るんやね。
感覚過敏は発達障害でよく見られる症状やね。ただ、感覚過敏だけでは、ASD(自閉スペクトラム症)にもほかの発達障害にも診断されないんやで。
①同じ行動や単純な動きをくり返す
①同じ行動や単純な動きをくり返すってどういうこと?
例えば、何度もとびはねたり、くるくる回り続けたりする行動やな。子どもはこの動きを「やらずにはおれん!」って感じ。
具体例
同じ行動や単純な動きってなに?
●何度もとびはねる
●くるくるまわり続ける
●決まった通りにものを並べる
●ものを回転させる
●頻繁に「あー」や「うー」など同じ声(お気に入りの声)を出す
●指の皮をむしる
●唇をかむ
●頭をぶつける などなど
軽い人やったら「部屋を歩きまわる・繰り返し指を鳴らす・ペン回しを繰り返す・イスを揺らす」といった行動もよく出てくるで。
僕、小学生のときにペン回しができるようになりたくて練習したなぁ
マイクロソフト創業者のビルゲイツはイスを揺らすこだわりがあったんやって。考えることに熱中したら、めっちゃ激しくイスを揺らしてたらしいで。
対応のポイント
こんな子どもがいたら注意したらいいん?
いや、気持ちの安定につながることが多いからほっといたらいいで。嫌なことをまぎらわそうとしてる場合もあるし。
基本的には対応しなくてもいいんやね。
ただ、問題行動が出てきたときには対応する必要があるよね。
繰り返しの行動が問題になるとき
●繰り返しの行動で日常生活や学校生活がうまく送れない
➡常同運動障害と診断され、医療との連携が必要になる
●頭を壁にぶつけるといった自傷行為
●幼児(特に女児)の手もみ
➡レット症候群かもしれないから専門家に相談する
問題行動になってたら、対応したりお医者さんに相談したりすることが大切なんやね
こだわりの原因と対処法
●ストレスや孤立で悪化している➡その子に合った環境を整える
●神経伝達物質の働きが弱い(特に興奮を抑えるGABAという神経伝達物質)
●ビタミンDが不足している
➡専門家と連携して、医療的な支援が必要
はっきりした原因は実はまだわかってないんよ。だから、研究がどんどん進んで今現在も新しい治療法が出てるところなんやで。
②決まった行動・思考パターンにこだわる
②決まった行動・思考パターンにこだわる、ってどういうこと?
1つ目の「同じ行動や単純な動きを繰り返す」よりも連続した行動をくり返す。あと、自分の考え方にめっちゃ頑固で柔軟性がないのが特徴やな。
例えばどんな行動?
決まった行動ってなに?
●必ず決まった時間に散歩をする
●細かい点まで決まった習慣を毎日繰り返す
●いつものお店で決まった席に座り、毎回同じメニューを注文する
●どんな状況でも丁寧すぎるあいさつをする
思考パターンへのこだわりってなに?
●自分の主義主張にとらわれ、他の考えを認めない
●自分の「こうあるべき・こうすべき」があり、他の人にも求める
このこだわりはルーティンとも言われて、良いこともあるねん。自分のスタイルを大事にすることで、高い創造性や生産性につながることもあるんやで。
問題になるとき
じゃあ、こんな子どもがいてもほっとけばいい?
何も問題がなければほっといてもいい。でも、このこだわりがあると周りとトラブルになりやすいねん。
確かに、頑固なおじいちゃんも周りに口を出してよくトラブルを起こしてるイメージやわ
このこだわりが強い子どもは、「○○はこうあるべきだ」っていうのが強いんよ。だから、周りが少しでも違ったことをすると注意したり、怒ったりしてトラブルになるんよね。
本人よりもまわりの人たちが苦しむことが多いのも特徴的
●周りの人の行動に注意をしたり、相手の行動を縛ろうとすることで…
➡こだわりを持つ本人が知らず知らずのうちに家族への支配や虐待につながってしまう。
➡本人は(言うと面倒になる)とわかりつつも、言わずにはおれず、周りとトラブルになる。
※「○○すべきだ」という責任感や義務感が強く、柔軟に変更したり、ゆるめたりできません。
➡日常生活がうまく送れなくなると、強迫性パーソナリティ障害と診断されることもあります。
対応のポイント
問題に対してはどうやって対応していけばいいん?
まわりへのサポートと本人へのサポートを分けて考えると対応しやすいで
まわりへのサポート
トラブルを通して、友達との適切な距離の取り方や人間関係の築き方を伝えていく
➡「トラブルになっても手を出さない」といった集団生活のルールを具体的に決めておくことも有効。
ルールによって、トラブルが起きたときに「何が悪かったのか?」が本人も周りも理解しやすくなり、悪化も防ぐことができる。
本人へのサポートは?
周りとトラブルになることが多いから実は本人も困っていることが多いんよ。本人が「またやっちゃった」と思っているなら、失敗パターンを避けるような手助けが有効やで。
失敗パターンって、「○○さんとこの話題をしたらいつもケンカになっちゃうね」って感じか。この話題を避けたり、言い方を変えさせる支援かな。
自分のこだわりを客観的に見る練習をすると、本人自身も失敗パターンを理解して変えたいと思うようになってくるで。
自分のこだわりを客観的に見る練習
●自分のこだわりを振り返るための記録をつける
●出来事の受け止め方や対処の仕方を変える(カウンセリングや認知行動療法も有効)
③特定の対象への強い執着
③特定の対象への強い執着ってどういうこと?
こだわりの①②は同じことを繰り返すっていうこだわりやってん。でも、こだわり③は自分の好きなことへの強い関心と細部へのこだわりが特徴的やねん。
自分の好きなことにはめちゃくちゃ詳しい人とか、細部にまでこだわって自分の作品をつくる人やね!
どんなことが好き?
●電車
●切手などのコレクター
●昆虫や岩石採集
●科学実験
●時計などの分解
特定の分野への深い情熱と強力な好奇心があってすごい集中力も発揮する。このこだわりはノーベル賞を取った人の伝記なんかでもよく見られるで。
じゃあ大事なこだわりやん
情熱や好奇心を持ってることは普通やし、このこだわりは科学や学問の進歩に貢献してきたともいえる。あえて言うなら他の分野への興味が全くなさすぎるっていう特徴があるで。
問題になるとき
他の分野に興味がなくても、特に問題はない気がするけど…
健康面とか周りとの人間関係がうまくいかないっていう問題があらわれやすいんよ。
電車マニアの青年の話👦
●膨大な時間と費用をつぎ込む
➡電車コレクションで部屋を埋め尽くし、別の部屋を借りている
●家族の我慢
➡家族が電車を勝手に整理したことで怒りマックス。大声を出されてから家族は何も言えない
対応のポイント
細部へのこだわりで問題が出てきたら、どうやって対応すればいい?
運動や芸術を取り入れて、からだの感覚とかイメージを活性化させるのがけっこう有効やで。このこだわりが出る人は言葉の力が高い、一方で全体の状況が見えていないってことも多いから。
言葉で考えすぎない練習やね。
細部へのこだわりは、大なり小なりみんな持ってるから、問題が起きないようにうまく付き合っていくことが大切やね。
④感覚過敏
感覚過敏ってどういうこと?
かんたんに言うと目(視覚)、耳(聴覚)、口(味覚)、鼻(嗅覚)、皮膚(触覚)とか感覚がめっちゃ敏感やっていうことやで。
具体例
感覚過敏って例えばどんなことがあるん?
感覚過敏ってどういうこと?
●大きな音が苦手で泣いてしまう
➡避難訓練の非常ベルでパニックになることもある
●偏食
➡特定の食べ物ばかりを好んだり、絶対に食べられないものがある
●特定のにおいが好き/嫌い
➡特定のにおいをかぐだけで安心する
●触られるのが極端に苦手
➡すごく嫌がったり、落ち着かなくなる
感覚過敏は発達障害とか敏感な子どもに多く見られるこだわり症状やね。ストレスを感じやすくて不調が出やすいから注意が必要やで。
対応のポイント
感覚過敏にはどうやって対応していけばいいの?
まずは環境を整えることが大事かな。本人が落ち着けるにおいがする小物を持たせたり、避難訓練のときに避難ベルを鳴らさないとか、できる配慮をするってこと。
イヤーマフで聞こえる音を少なくするだけで落ち着ける子どもも多いよね。
気をつけるポイントは休みすぎると感覚がよけいに過敏になってしまうっていうことやな。休んだら良さそうなもんやけど、時間があると過敏な感覚をより気にしてしまうねん。
休みすぎたら考える時間が増えるしなぁ。音に過敏やったら、一日中、音のことばっかり考えてしまって苦しくなるって感じか。
ほどほど忙しくして、感覚から意識を逸らす支援が意外と有効やったりすんよ。あとは、薬の処方も有効な場合があるからそのときは専門家に相談やで。
発達障害じゃなくても起こる「こだわり」
発達障害は生まれつきの脳の障害やねんけど、こだわりは育てられる中で出てくることもあるねん。
育てられる中で出てくるこだわり?
強迫性障害
例えば【強迫性障害】。これは中学生~大人でもどんどん強まっていくこだわりやと言える。
思春期・青年期以降に強まるこだわり:強迫性障害
◇自分でも必要がないとわかっている行動(強迫行動)を繰り返す
・手を洗い続ける
・決まった手順を守らないと落ち着かない
・家に帰るとすべての服を着替える
➡不潔への恐怖が強い。
◇自分でもあり得ないと思っている考えや心配(強迫観念)にとらわれる
・今、車で人を引いたかもしれない
・大事な書類を捨てたかもしれない
➡他人を傷つけることや失敗への恐怖にとらわれる
わかっちゃいるけどやめられない。自分でも(変なことや)とか(気にせんでいいことや)とわかってるんやけど、手を洗わないとどうにも落ち着かん状況なんやな。
なぜこだわりが出てくるのか?
なんで生まれつきじゃなくてもこだわりが出てくるん?
もともとの性格もあるけど、自分の存在を否定されたり、強いストレスがかかると出てくるって言われてるねん。心の傷(トラウマ)とか愛情の傷(愛着障害)が引き起こすこともあるんやで。
つらい経験をした自分を守るために出てきた行動ともいえるんかもね。
こんなこだわりは、安心した中で自分のことを語ったり表現することで、自分の人生を捉えなおすことで改善に向かうことが多いよ。
愛情の傷(愛着障害)が気になる人は次の記事でまとめてるから見てみてや。
行動しよう(今の小さな変化が未来の大きな変化につながる)
こだわりって一言で言ってもいろんな種類のこだわりがあるんやね。
うん。こだわりっていう特性の理解が深まったかな。これで目の前の子どもの問題行動にも対処できるようになっていくはずや!
これからもまだまだ学んでいくぞー!
今の小さな積み重ねが大きな変化を生み出して、より良い未来につながるんやで(^^)/
▼発達障害については下の記事で詳しく解説しています▼
コメント