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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

愛着障害の子どもをほめるときに気をつけることってある?

じゃあ今回は、ほめるときに心がけることと、支援の進め方とほめ方のコツを学んでいこか。
こんな方に読んでほしい
●愛着障害の子どものほめ方を知りたい
●子どもの問題行動に悩んでいる
●発達障害向けの対応がうまくいかない
●支援のレベルアップをしたい
今回の記事を理解することで、子どもの問題行動を減らしていくことができます。

絶対にできるようになるからね!
今日は3冊から学んできたよ♪

👆子どもの愛着障害の特徴や支援方法、ほめ方をもっと知りたい人にオススメ。難しいところもあるけど、米澤先生の熱量が感じられる良い本やで。

👆子どもがたくさんおる中で、愛着障害の子どもとどうやって関係を結んでいくのか。そんな疑問に答えてくれる本やで。簡潔に書かれてて読みやすかった。

👆大人の愛着障害の全体像を押さえたい人や、克服のために必要な安全基地について知りたい人にオススメやで。マンガで読みやすくて、スッと理解できたわ。
▼動画もぜひ見てください!
▼勉強ノート(内容を1枚にまとめたで)


先に愛着障害の子どもの特徴とか支援方法を知りたい人は次の記事を見てや。
ほめるときに心がけること

愛着障害の子どもをほめるときに気をつけることはある?
愛着障害の子どもをほめるときの心がけ
①その子の安全基地になる
②先手の支援で主導権をとる

安全基地? 主導権?

それぞれわかるように説明していくでっ!
心がけ① 安全基地になる

愛着障害を克服するキーワードは【安全基地】なんよ。

安全基地?なにそれ?
安全基地とは
どんな自分でも無条件に受け入れてくれる心のより所となる人のこと

安全基地をより具体的にイメージするために、安全基地の5つの条件を解説するわ。まわりの人を思い浮かべてみてや。
安全基地の5つの条件
❶【安全・安心】一緒にいて安心できる
❷【応答性】いつでも相談できる
❸【共感性】自分の気持ちを尊重してくれる
❹【安定性】穏やかで気分や態度が安定している
❺【誠実さ】大事なことをちゃんと言ってくれる
【安全・安心】一緒にいて安心できる
安全基地の条件❶【安全・安心】一緒にいて傷つけられない、安心できる

◎困ったときや不安なときに、「大丈夫だよ」と言ってくれる大人
◎自分の存在を否定しない大人
◎そのままの自分を認めてくれる大人
【応答性】いつでも相談できる
安全基地の条件❷【応答性】いつでも相談できる(ただし、注意が必要)

◎何かあったら相談できる大人
➡守ってもらえるという安心感につながる

ただし対応には要注意やで!対応を間違えると子どもの愛着障害が悪化することもあるねん。

「いつでも相談にのる」ことは大切やけど、愛着障害の子どもにしたらダメな対応があるってことやね。
愛着障害の子どもにしたらだダメな対応
●ひたすらほめる、甘えさせる対応はダメ
●子どもの話を傾聴したらダメ
ひたすらほめる、甘えさせるだけはダメ

ほめ方を知りたいのに、ほめたり甘やかしたりしたらダメってどういうことなん?

ほめ方にもコツがあるってことやね。単にほめるだけ・甘えさせるだけの対応やと、アピール行動やまわりの愛情を試す行動がどんどんエスカレートしてしまうねん。
最終的に実現不可能な欲求や命令にまでエスカレートし、実現されなければ暴れまわります。

愛着障害の子どもの特徴で、「愛情欲求行動」っていうのがあるねん。
愛着欲求行動とは?
①注目されたいアピール行動
まわりから注目してほしくてする行動。
例)大げさなリアクション、静かな場所での大きな音や大声、いたずら、わざとけがをするなど
②愛情試し行動
わざと相手の反応(怒らせたり、困らせたり)を引き出すようなふるまいをして、これをしても「許されるか」「叱られるか」「叱られると怖いか」を試すような行動。

ほめるだけの対応やと、この愛着欲求行動がどんどんエスカレートしちゃうってことか。
▼愛着障害の特徴をもっと知りたい人は次の記事を見てください▼
子どもの話を傾聴してはダメ

子どもの話をよく聞いてあげることがなんでダメなん?

子どもの話をよく聞く、つまり傾聴の良いところは子どもが話をすることで自分の気持ちに気付いて状況を整理できるところやねん。

傾聴、よさそうやん。なんで傾聴がしたらダメな対応なん?

愛着障害の子どもは、自分の感情や気持ちを伝えることが苦手やから、気持ちを聞いてあげても、逆に混乱が大きくなるねん。
愛着障害は感情発達の障害
愛着障害の子どもは、感情や情緒(喜び、悲しみ、怒り、恐怖、不安など)を伝えることが苦手です。親の死別・離別、虐待、ミスマッチ、自閉スペクトラム症などで、身近な人と気持ちや感情を通わせることができなかったためです。

自分の気持ちを表現するのが苦手やから、「わからん!どうすればいいんじゃー!!」ってけっきょく暴れることになるんやね。

傾聴は、誰にでも通用する最強の方法じゃないってことやね。

じゃあ、子どもに傾聴するかどうかを、先生はどうやって決めればいい?

迷うんやったら最初は傾聴してみたらいいで。丁寧に話を聞いてるのに、泣く・怒る・パニックになったら、次からやめたらいいねん。
【共感性】自分の気持ちを尊重してくれる
安全基地の条件❸【共感性】決めつけや押し付けがなく、自分の気持ちを尊重してくれる

◎子どもが何を感じ、何を求めているのか察して、共感できる大人
【安定性】穏やかで気分や態度が安定している
安全基地の条件❹【安定性】いつも穏やかで、気分や態度が安定している

子どもから話しかけやすく、一緒にいて落ち着く大人
【誠実さ】大事なことをちゃんと言ってくれる
安全基地の条件❺【誠実さ】大事なことをちゃんと言ってくれる

優しいだけではなく、「ダメなことはダメ」と言ってくれる大人

安全基地をもっと知りたい人は次の本がオススメやで。大人の愛着障害の本やけど、マンガやし、愛着障害のイメージがしやすかったわ。
心がけ② 先手の支援で主導権を取る

大切な心がけの2つ目は、先手の支援で主導権を取るということ。
後手の対応ではうまくいかないことが多いんよね。
後手の対応とは…
子どもの要求の後に大人が対応すること
【子どもの要求・行動➡大人の対応】
※後手の対応では、ほめても、叱っても、うまくいきません

愛着障害の子どもに「何がしたい?」と聞くのもダメやねん。聞いてしまうと、その後の行動がすべて後手の対応になってしまうからね。
後手ではなく先手の支援


後手の対応じゃダメなんか。じゃあ、先手にするにはどうすればいい?

先手の支援では【子どもの要求・行動】の前に【大人の要求】を入れることを意識するんやで。
後手の対応は…
【子どもの要求・行動➡大人の対応】
先手の支援は…
【大人の要求➡子どもの要求・行動➡大人の対応】
※子どもの要求・行動の前に大人の要求を入れる

例えば?
先手の支援をクラスでするコツ
①先に大人の要求を伝える
例)クラスのルールを4月に決める
「何をしたらほめられる/怒られるか?」
例)簡単な役割を与える
無理なくできる係の仕事を与える
②子どもの行動
③大人が対応する
例)クラスルールをもとにほめる/叱る
例)係の仕事をしてくれてありがとう
※大人の要求をもとに、子どもの行動を評価する

じゃあ小さい子が「抱っこして!」って急に飛びついてきたときとかは先手の支援は難しいかな?

そんなときは抱っこして、まずは子どもの接触欲求を満たしてあげたらいいで。ただし、その後に「次は握手しよう」と言って先手の支援につなげていくことが大事。

まずは子どもの接触したい気持ちを満たす。その上で「大人の要求」を伝えて、先手の支援につなげていくんか。なるほどな~。
逸らしの支援

子どもが問題行動してるときは、先手の支援をするのが難しいときもある?

例えば、子どもが感情的で指導が入らないときは「逸らしの支援」がオススメやで。
逸らしの支援
不適切な行動を別のことに逸らす支援

問題行動そのものを指摘するんじゃなくて、別のことに気を逸らす感じ?

そうやね。「それはダメや!」じゃなくて、次にしてほしい行動を伝える感じ。
逸らしの支援の例
◇子どもが廊下を走っている
「走ったらダメ」ではなく、「歩くよ!」と声かけ
➡歩き出したらほめる
◇子どもが教室を飛び出した
「飛び出したらダメ」ではなく、「(教室で)○○しよう」と声かけ
➡〇〇ができたらほめる

ほめるのが苦手な人は「ありがとう・助かった」と言うだけでも子どもに伝わるよ。
逸らしの支援の良い点
◎声かけで「大人の要求」を伝えることができる
➡先手の支援につながり、大人が主導権をとれる
◎不適切行動を止めるだけでなく、逸らした後の行動をほめることができる

逸らしの支援も「子どもの行動」の前に「大人の要求」を入れることやねん。
だから、先手の支援で大人が主導権を取ることにつながるんやな。

なるほど。逸らしの支援は先手の支援につながるんやね。

先手の支援について詳しく知りたい人は下の本がオススメやで
支援の進め方とほめ方のコツ

愛着障害の子ども支援を進めるために、具体的に何をすればいいの?
具体的な支援の進め方とほめ方のコツ
①関係づくりは1対1からスタート
②感情を学習させる
③ほめ方を工夫する
④支援はどのフェーズからでも良い
(支援は進んだり戻ったり)
①関係づくりは1対1からスタート

愛着障害の子ども支援の第一歩は、1対1で信頼関係を結ぶことやねん。

さっそく難しいやん。信頼関係を結ぶのに悩んでるのに…。コツはある?
愛着障害の子どもと信頼関係を結ぶコツ
❶キーパーソンを決める
❷1対1で一緒の活動をする
❸入口と出口の支援
❶キーパーソンを決める

まずはその子のキーパーソンとなる大人を決めることやで。

キーパーソンってなに?
キーパーソンとは
その子のことを1番よく知っている人

学校やと担任の先生がキーパーソンになりやすいけど、違う人でもいいで。大事なことは、その子の情報すべてをキーパーソンに集めること。

キーパーソンはたくさんの情報を集めてどうするん?

大人が先手の支援をするために、その子について詳しく知る必要があるねん。
☆おさらい☆
後手の対応は…
【子どもの要求・行動➡大人の対応】
先手の支援は…
【大人の要求➡子どもの要求・行動➡大人の対応】
※子どもの要求・行動の前に大人の要求を入れる

先手をとるための「大人の要求」が、その子の苦手なこと・興味のないことやったら、その子は何もしたくないよね。

その子が何に興味があるのか、何が好き・苦手なのかを知ると、大人はその子に合った活動や仕事を考えられるんやね。
❷1対1で一緒の活動をする


キーパーソンは子どもと1対1で一緒の活動をして、関係を結んでいくことが大切やねん。

一緒に活動するときのポイントとかはあるん?
「一緒の活動」のポイント
◎1日1回以上
◎できれば2人きり
◎一緒のことをする

例えばどんな活動?

例えば、料理・草むしり・工作・お絵かきやで。「同じ方向を向く・さわる・つくる・できる」活動を意識したらいいで。

逆に、しない方がいい活動とかはあるの?

イマイチな活動は、勝敗がつく活動(オセロなど)や、役割が固定される活動(勉強など)やな。効果が半減やで。
❸入口と出口の支援

担任の先生がキーパーソンになったら、1対1の時間はどうやってとればいい?
子どもって「えこひいき」をめっちゃ嫌がるし。

入口と出口の支援で1対1をつくるのがオススメやね。
入口と出口の支援とは
◎入口の支援
登校のあいさつで1人1人に声を掛ける
◎出口の支援
放課後に呼び止めて1日を振り返る
※振り返りは、子どもへの質問ではなく、大人が言葉にすることを意識する

入口と出口の支援やと、まぁまぁ自然に1対1の関係をつくれるで。
②感情を学習させる
具体的な支援の進め方とほめ方のコツ
①関係づくりは1対1からスタート
👉②感情を学習させる
③ほめ方を工夫する
④支援はどのフェーズからでも良い
(進んだり戻ったりしながら支援しよう)

子どもと1対1の時間をつくる目的は、感情を学習させることやで。

愛着障害の子どもには感情を学習させることが大事なの?

愛着障害は感情発達の障害やからね。愛着障害の子どもは、自分の気持ちや感情を表現する方法を知らないんよ。
愛着障害は感情発達の障害(おさらい)
愛着障害の子どもは、感情や情緒(喜び、悲しみ、怒り、恐怖、不安など)を伝えることが苦手です。親の死別・離別、虐待、ミスマッチ、自閉スペクトラム症などで、身近な人と気持ちや感情を通わせることができなかったためです。

だから、自分の気持ちや感情を表現する方法を大人が教えることが大切なんやね。

感情を学習させるポイントは3つあるで。
感情を学習させるポイント
❶感情を言葉で確認する
❷行動―認知―感情をつなげる声かけ
❸一貫した反応をする
❶感情を言葉で確認する

感情を学習させるときに気をつけたいのは、「どんな気持ち?」とか「どう思った?」って子どもに聞かないこと。

なんで聞いたらダメなん?

愛着障害の子どもは、自分の感情や気持ちがわからんから、「どう?」って聞かれても「わからんわー!」ってよけいに混乱しちゃうんよ。

じゃあどうすればいいん?

一緒に活動してるときは、感情を教えるイメージで声をかけるのが大事やで。
感情を教えるイメージで声をかける
その子が感じている感情・気持ちを教えるイメージで言葉をかける
例)「〇〇して楽しいね」「一緒にできてうれしいね」と言葉で伝える

子どもの気持ちを大人が想像して言葉で伝える…。めっちゃ難しそうやな。

情報をいくら集めても、子どもの気持ちを100%理解するなんて不可能や。だから、間違えるの覚悟で「こんな気持ちやんなぁ」って伝えてみたらいいねん。

「違う」って言われたら、「違うんかぁ~、じゃあ楽しいって気持ちかな」とかって言い換えればいいんやな。
❷行動―認知―感情をつなげる声かけ

行動と認知と感情をつなげるってどういうこと?

言葉は難しいけど、次の具体例をイメージしたらわかりやすいで。
行動―認知―感情をつなげる具体例
子どもと草むしりをしたとき
◇行動:同じことをした
子どもと一緒に草むしりをした
◇認知:同じことが起こった
庭がきれいになったのを一緒に見た
◇感情:同じ気持ちになった
一緒にできてうれしいね!

「先生と一緒に草むしりをして、庭がきれいになったね。うれしいね!」って感じか。

日常会話って短くなりがちやけど、愛着障害の子どもに声をかけるときは、行動―認知―感情の3つのつながりを意識すると効果的やで。

確かに、普段やったら「きれいになったね」とか「うれしいね」だけの声かけになってしまうかも。でも、長くなっても、この3つをちゃんと伝えた方がいいんやね。
行動―認知―感情をつなげる声かけ
先生と一緒に〇〇をして(行動)、△△になったね(認知)。◇◇だね(感情)
行動➡一緒にお絵描きを完成させて
認知➡こんなにステキな絵ができたね
感情➡すごく嬉しい気持ちになったね
❸一貫した反応をする

一貫した反応?

子どもが行動をしたときに大人は同じ反応・対応をするってことやで。

子どもの行動に対しては、基本的に同じような対応になると思うけど。

大人が違う反応をして、子どもとの信頼関係が壊れちゃうことがけっこうあるねん。
大人の対応の違いで信頼関係が壊れるとき
【例1】母親とのやり取り
頑張って作った作品を母親に見せたとき
1回目:「すごいね!上手にできたね!」と、すごく喜ぶ
2回目:「もう見たよ。また作ったの?」と、あっさりした反応…
➡ この変化に、子どもは「ガーン😨」と落ち込んでしまいます。
【例2】先生とのやり取り
係の仕事をしたとき
1回目:先生が「よくできたね!」とほめてくれた。
2回目:同じことをしたのに、あんまり反応がない…
➡ 子どもは「どうして?」と不安になり、信頼関係が揺らいでしまいます。

大人の一貫した反応が、子どもとの信頼関係をつくっていくのに大切なんやで。

最初にオーバーリアクションをすると後がつらくなっちゃうから、持続できるぐらいのリアクションをしとくわ。

無理に頑張らんでいいから、ほどほどで楽にいこ~!っちゅうことやね。
【番外編】いないいないばぁ

どうしても表情を出すのが苦手な子どもっておるやん?

おる。そもそも無表情な子どもとか、聞いたら「楽しい」って言うけど全然笑ってない子どもとか。

表情を出すのが苦手な子どもには、いないいないばぁが有効やで。
いないいないばぁの良いところ
◎一緒に同じ活動をしている
➡子どもと関係がつくれる
◎手で隠れた顔が毎回出てくる
➡安心感につながる

でも、いないいないばぁって、赤ちゃんにやるイメージやけど…

年齢が高くても効果があるねん。アレンジをしてもいいし、幅広い年齢層に通用するんやで。遊びの中で安心感を伝えてあげれたらいいね。
③ほめ方を工夫する
具体的な支援の進め方とほめ方のコツ
①関係づくりは1対1からスタート
②感情を学習させる
👉③ほめ方を工夫する
④支援はどのフェーズからでも良い
(進んだり戻ったりしながら支援しよう)

愛着障害の子どもをほめるときのコツはある?

あるで。どんな子どもにも有効なほめ方(❶~❹)と、愛着障害の子どもに特に有効なほめ方(❺~❼)があるんやで。
子どもをほめるときのコツ
❶具体的にほめる
❷ほめるときは1つだけ
❸すぐにほめる
❹良い変化をほめる
❺ポジティブな感情を言い当ててほめる
❻先に行動を促し、できたらほめる
❼キーパーソンとの関係を確認してほめる
どんな子どもにも有効なほめ方(❶❷❸❹)

まずはどんな子どもにも通用するほめ方のコツを4つ紹介や!
❶具体的にほめる
ほめポイントを具体的に伝える
例)大きな声で歌えたね/良い姿勢で歌えてるね
✖「しっかり歌えてるね」はダメ
➡何をほめられているかがわからない
❷ほめるときは1つだけ
ほめたいことを1つにしぼる
例)だまってできたね/座ってできたね
✖「座りながらだまってプリントできたね」はダメ
➡ほめたいポイントが、ぼやけている
❸すぐにほめる
その場でそのときにほめる
例)(今、)○○できたね
✖「この前、○○できていたね」はダメ
➡何をほめられているかがわからない
❹良い変化をほめる
過去と比べてほめる
例)最近、できるようになってきたね
愛着障害の子どもに有効なほめ方(❺❻❼)

次は愛着障害の子どもに有効なほめ方のコツを3つ紹介やで。
❺ポジティブな感情を言い当ててほめる
子どもの感情を教えるイメージ
例)良い作品ができて、うれしいね!
△「よい作品ができたね」だけでは不十分
➡子どもの感情も伝えるようにする
❻先に行動を促し、できたらほめる
大人が先手をうつのが大切
例)廊下は歩くよ。できたね、いいね。
✖「走らない!」はダメ
➡後手の対応になってしまう
❼キーパーソンとの関係を確認してほめる
一緒に活動していることを意識させる
例)先生と一緒にすると楽しいね。
△「楽しいね」だけでは不十分
➡「先生と一緒に」と言葉で伝える

やってほしいことを先に伝えて、子どもができたら、感情を教えるんやね。
愛着障害の子どもをほめる
合唱の練習をしているとき
例)背中を伸ばして⑥!良い姿勢で歌えて気持ちいいね⑤。先生と一緒に⑦歌うと楽しいね。

ほめるのが苦手な人は、7つ全部しようとするんじゃなくて、1つずつでも意識したらいいで。ほめ方をもっと知りたい人は次の本を見てみてや。
④支援はどのフェーズからでも良い
具体的な支援の進め方とほめ方のコツ
①関係づくりは1対1からスタート
②感情を学習させる
③ほめ方を工夫する
👉④支援はどのフェーズからでも良い
(進んだり戻ったりしながら支援しよう)

愛着障害の子ども支援では、フェーズ【段階】を進めていくことが重要やで。
フェーズ⓿安心できる場づくり
フェーズ❶子どもの感情学習の支援
フェーズ❷行動を学習させる支援
フェーズ❸他者との関係づくりの支援
フェーズ❹子どもの自立の支援

フェーズ⓿から、順番にフェーズ❹まで進めていくってこと?

そうやで。それぞれのフェーズによって支援の目的が違うから、ここを勉強することで、支援の全体像がイメージできたらいいね。
フェーズ⓿ 安心できる場づくり

このフェーズは子どもが安心できる場をつくるフェーズ。特に、人との距離感が遠すぎる子どもの支援でこのフェーズを意識してほしい。
人との距離が遠すぎる愛着障害のタイプ
回避型・抑制型・反応性愛着障害
◇子どもの特徴
・人との距離感が遠すぎる
・人間不信で警戒心が強い
➡人との関わりを避ける
・叱られると自分の殻に閉じこもる
➡叱られて、親と2年間口をきかない
担任の先生と口をきかない

人との距離感が遠いからこそ、その子が安心できる場を丁寧につくっていくことが大事なんやね。

(ここでは自分のことを話せるかも/笑ってもいい/泣いてもいい)と、子どもが安心して感情を出せるようになったらいいね。

愛着障害のタイプについて、もっと知りたい人は次の記事を見てみてや。
フェーズ❶ 子どもの感情学習の支援

愛着障害の子どもの安心できる場所(フェーズ⓿)をつくったら、次はどうする?

フェーズ❶の目的は、【キーパーソンとの1対1の関係づくり】と、【子どもに感情を学習させる】ことやで。

まずは、「この子のことは○○先生(キーパーソン)がよく知っている」っていう状況をつくること。その上で、感情を学習させていくフェーズやで。
フェーズ❷ 行動を学習させる支援

愛着障害の子どもの安心できる場所(フェーズ⓿)で、キーパーソンと一緒に感情を学べてきた(フェーズ❶)。次はどうする?

次は、支援を通して、子どもができることを増やしていくのが目標やで。

子どもの行動の幅を広げていこうってことか。大人はどう関わればいい?

ここでも先手の支援。つまり、「子どもの行動」の前に「大人の要求」を入れるのが大事やねん。(「先手の支援で主導権を取る」)
☆おさらい☆
後手の対応は…
【子どもの要求・行動➡大人の対応】
先手の支援は…
【大人の要求➡子どもの要求・行動➡大人の対応】
※子どもの要求・行動の前に大人の要求を入れる

「大人の要求」で、子どもがしたことのないような経験をさせていくんやで。

愛着障害の子どもと信頼関係ができてきたからこそ、「大人のやってみようよ」に付き合ってくれるようになるんやね。
フェーズ❸ 他者との関係づくりの支援

これまでのフェーズ⓿~❷は、キーパーソンと愛着障害の子どもとの1対1の関係づくりがメインやねん。

これまでは、まずは、キーパーソンが子どもと「1対1で信頼関係を結んでいきましょうね」っていう段階やったんか。

このフェーズ3⃣は、まわりとの関係づくりを意識するフェーズやで。つまり、愛着障害の子どもが、まわりの人たちと信頼関係を結んでいくことが目標やねん。

具体的に何をすればいい?
他者との関係づくりを支援する
◎まわりの人(友達や他の大人)との関わりを増やす
➡キーパーソンが橋渡しをして、関係をつくる
◎子どもの行動に手を貸さず、近くで見守る
➡子どもへのフォローや報告をさせる

信頼関係ができてきたキーパーソンが中心になって、他の人に関係を広げていくイメージやな。
フェーズ❹ 子どもの自立の支援

このフェーズ❹は、愛着障害の子どもが、一人で考え、行動できるように支援していくフェーズやで。

子どもの自立が目標か。まわりの人との関係もできてきたから、いよいよ巣立ちって感じやな。
探索行動と参照視

愛着障害の子ども支援の1つのゴールは「探索行動」がでてくることやで。
探索行動とは
安全な場所や安心できる人から離れて、子ども自身でまわりのことを知ろうとする行動

キーパーソンから離れて、子ども自身がいろんな場所へ行って新しい出会いを経験したり、情報を手に入れるようになっていくんやね。

探索行動をするときには、「参照視」がセットになってくるで。
参照視とは
子どもの「○○してもいい?」という確認行動。子ども自身が「99%、○○しよう」と決めていても、背中を押してもらうために最後の1%を大人に確認する行為。

とりあえず、子どもからの「○○してもいい?」っていうことに、「いいで!」って答えてあげればいいんやね。
キーパーソンの引継ぎ

このフェーズでもう一つ大切なことは、キーパーソンの引継ぎやで。

キーパーソンを変えるの?

わざと変える必要はないで。ただ、担任の先生がキーパーソンやった場合、異動や新学期に先生がかわることは多々あるやろ。

そんなときに、キーパーソンの引継ぎが大切になってくるわけやね。方法はあるの?
キーパーソン引継ぎの方法
子ども・新旧キーパーソンでこれまでの約束やできたことを確認する機会をつくる

愛着障害の子ども、前の担任、新しい担任で話し合う場をつくるわけやね。

約束が守れたことやできたことを確認することで、新キーパーソンと子どもが新たな信頼関係をむすぶきっかけにするんやで。

愛着障害の子ども支援のクラスでの進め方をもっと知りたい人は次の本がいいで。
支援は進んだりもどったり:2度目の試し行動

愛着障害の子どもは、まわりの大人の愛情を試すような、愛情試し行動をするねん。
愛情試し行動とは
わざと相手の反応(怒らせたり、困らせたり)を引き出すようなふるまいをして、これをしても「許されるか」「叱られるか」「叱られると怖いか」を試すような行動

この愛情試し行動は、子どもと関わり始めたときによく出てくる行動なんよ。でも、子どもと関係ができた後にも愛情試し行動が出てくることがある。

子どもと関わり始めたときに1回目の愛情試し行動があって、関係ができた後に、2回目の愛情試し行動があるってことか。なんでなん?

(この大人はほんまに信頼できるんか?)っていう最終チェックやで。2度目の試し行動が出たら、子どもと関係が築けてきたっていうこと。

じゃあ、ここであきらめずに支援を続けることが重要やね

うん。2度目の試し行動の後は、子どもの愛着修復がぐっと進んでいくから、もうひと踏ん張りやで!
さいごに 思いついたことはなんでもやってみよう

ありがとう。愛着障害の子どものほめ方とか支援の仕方がわかってきたぞ!

大まかに理解できたら、次は行動あるのみやね。
最初からうまくはいかなくても、試行錯誤を繰り返すことで気づけば、「あれ?うまく関係を築けてる…」と実感しているはずです。

今の小さな積み重ねが、どんどん大きな変化を生み出して、より良い未来につながるんやで(^^)/
▼愛着障害についてもっと知りたい人は次の記事を見てください!▼










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