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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。１０年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。
発達障害の人はルールにこだわりすぎることがあるの？
人によるけど、「人に共感ができない」っていう特性があるで。人の気持ちが理解できないから、まわりへの共感よりもルールを重視して行動しがちやねん。
こんな方に読んでほしい
●ルールにこだわる子どもへの声掛けに悩んでいる
●人の気持ちをわかろうとしない子ども対応に困っている
●支援のレベルアップをしたい
今回の記事で、具体的な対応がわかり、共感が苦手な子どもと良い関係をつくることができます。
絶対にできるようになるからね！今日は下の本で学んだよ♪
👆発達障害を学びたい人にオススメ。特性ごとに詳しく書かれてるで。共感よりもルールを重視する人々も例として挙げられてるからイメージがめっちゃしやすいで。
▼動画もぜひ見てください！
▼勉強ノート（内容を１枚にまとめたで）
人間の脳には２つのタイプがある
人間の脳は、共感が得意かどうかで２つのタイプに分けられるで。
人間の脳は２つのタイプがある
◎Ｅタイプ
共感して人と仲良くなるのが得意
◎Sタイプ
空気を読まず自分の信じた道を進む
Ｅタイプは共感（Empathy）が得意。Sタイプはシステム（System）思考が得意やねん。
エンパシーのＥタイプとシステム思考のＳタイプってことか。もっと詳しく教えて！
Ｅタイプ：他人との共感が得意
まずは共感が得意なＥタイプやね。他の人の気持ちを考えるのが得意なん？
そう。Ｅタイプは他の人に共感する力があるから人と仲良くなるのが得意やねん。
共感（Empathy）が得意なＥタイプ
◎他人と気持ちを共有するのが得意
➡円滑な人間関係を築くことができる
◎他人の気持ちや好き嫌いに興味がある
➡口癖は「○○が好き」「私も好き！」
Ｅタイプの人は人付き合いが上手なんやね。
Ｓタイプ：構造や関係性の理解が得意
じゃあＳタイプの人はどんな人なん？
Ｓタイプは共感が苦手やからこそ、空気を読まずに自分の信じた道を突き進む力があるで。
システム思考ってなに？
そもそも、Sタイプが得意な「システム思考」ってどういうこと？
物ごとを全体として見る考え方やで。だから、「どんな要素が、どうつながってるのか？」っていう関係とかパターンを考えるねん。
うーん、まだちょっとピンとこーへんかも。
たとえば、何かトラブルが起きたとするやん。そのときに「誰が悪い！」とか「この部分だけ直せばええやん！」って、部分だけ見て終わらせるのは“部分的な見方”。
ふんふん。
でも、”システム思考”では 「なんでそうなった？」「他に関係してることはない？」「全部あわせて、どんな流れなんやろ？」って、全体を見て考えるんやで。
なるほど。つまり、原因を一つだけにしぼらんと、いろんなことがどう関係してるかを見るってことやな。
そうそう。下の表みたいに比べると、さらにわかりやすいで。
つまり、「目の前のこと」と「他のこと」がどうつながってるのか、そして全体を見て考えられるっていうのが、システム思考の強みってことか。
まさにそれ！「なんでこうなったのか？」だけじゃなく、「どうしたらうまく回り出すか？」まで考えられるんが、システム思考のええところやで。
共感が苦手なＳタイプが得意なこと
でも、システム思考が得意なＳタイプは共感が苦手なん？
Ｓタイプは共感が苦手やからこそ、空気を読まずに自分の信じた道を突き進む力があるで。
システム思考が得意なＳタイプ
◎関係性やつながりをつかむのが得意
◎理由や正しい（間違い）に関心がある
➡口癖は「○○はどうして？」「○○が正しい（間違いだ）」「○○すべき」
正しいかどうかが大事やから、ルールや法則を重視するんやね。
人類の進化には両方のタイプが必要
どっちのタイプの方が良いの？
人類が進化していく中では、ＥタイプもＳタイプも両方とも大切やってん。
人類の進化におけるそれぞれの役割
◎Ｅタイプの役割
まわりの人たちとうまく関係をつくり、集団を安定させてきた
◎Ｓタイプの役割
科学や文化の発展、政治や社会の変革に役立ってきた
Sタイプは、まわりの空気を読まないからこそ、自分の信じたことをやりきれるんよね。
何か行動を起こすときに、まわりの目ばっかり気にしていられないよね。そうやって、社会を変革させてきたんか。
見分け方：自分はどっちのタイプ？
なるへそ～。 自分はＥタイプかＳタイプかどっちなんやろなぁ？
どっちのタイプか簡単に見分ける方法があるで。
えー！ 知りたい！
それは人差し指と薬指の長さを比べるとわかるんやで。
人差し指と薬指の長さを比べて…
◎男性の場合
人差し指が長い➡Ｓタイプ
薬指が長い➡Ｅタイプ
◎女性の場合
薬指が長い➡Sタイプ
人差し指が長い➡Ｅタイプ
指でわかるなんて、なんか占いみたいやね。
単なる占いじゃないで！ 精度が高いバイオマーカー（生物学的指標）やと言われてるねん。
バイオマーカー？
バイオマーカーとは身体の中で起こっていることを教えてくれる“しるし”みたいなものやで。つまり、指を見ると身体の中で起こったことがわかるっていうことや。
指の長さを比べると、母親のお腹にいるときに浴びた男性ホルモンの量がわかる
男性ホルモン（テストステロン）を多く浴びると、共感性やコミュニケーションの発達が抑えられ、システムへの関心や、とらわれが強くなる。
人差し指の方が長い男性と、薬指の方が長い女性は、お腹の中にいるときに男性ホルモンを多く浴びたってことやね。
うん。お腹の中にいるときに男性ホルモンを多く浴びるとSタイプになりやすいんやで。
Ｓタイプの特徴と問題点
極端なSタイプは自閉スペクトラム症
共感が苦手な人はどんな診断がつくの？
極端なＳタイプで共感がめっちゃ苦手な人は、発達障害のひとつ、自閉スペクトラム症（ASD）の診断がつくことが多いよ。
自閉スペクトラム症の特徴
【社会的コミュニケーション障害】＋【２つ以上のこだわり症状】
共感がめちゃくちゃ苦手やから、他人とのコミュニケーションも苦手なんやね。
あと、物事を一つのルールで理解したがるから、こだわりも持ちやすいで。
特性を理解して行動につなげる
ただし、大切なことは自閉スペクトラム症っていう診断名ではなくて特性を理解することやで。
どういうこと？
つまり、「自閉スペクトラム症やからこんな対応をしよう」ではなくて、共感が苦手という特性を理解して次の行動につなげるのが大事ってことやで。
じゃあ、「人に共感ができない」っていう特性を持つSタイプの特徴ってなに？
Ｓタイプが考えがちなこと
Sタイプの人は人間関係よりもルールや正しさを重視する傾向があるで。
Ｓタイプの考え方の傾向
●物事をルールや法則で理解したがる
●ささいなことや感情的なことで悩まない
●全体を捉え、コントロールしようとする
●相手の思いより、正しいかを優先する
●共感や気持ちのつながりに無関心
●「～すべき」というルールや約束事で人間関係を考える
人の気持ちがわからんからこそ、はっきりしてるルールや正しさが好きなんかなぁ。
得意なこと
得意なことはあるん？
Sタイプみたいに全体像をイメージできる人は、物事を合理的にどんどん進めていくことができるで。
Ｓタイプが得意なこと
①分析
問題の背後をイメージして分析する
②冷静な判断
全体の視点から物事を見ることができる
③有利な選択
判断力、変化・未来を予測する、損害を避ける
ちなみに、イメージする力はウィスク（WISC）っていう知能検査で測ることができるで。
イメージする力：WISC-Ⅳでは【知覚統合（知覚推理）】
視覚情報を正確に理解し表現する力
①視覚情報を処理する
②視覚情報と意味を結びつける
③視覚情報から意味や規則性を読み取る
④目の前にないものをイメージ・図式化する
イメージする力：WISC-Ⅴでは【視空間】と【流動性推理】
◎視空間
目で見たものの空間的な奥行きや全体像をイメージ・把握する力
◎流動性推理
新しい場面に出くわしたときに推理・推測をして合理的な行動ができる力
これらの数値で、イメージする力が強いかどうかを測ることができるんやで。
まわりの人が苦しんでしまう
じゃあ、他人の気持ちがわからないことでの問題はあるん？
他人の感情やささいな出来事が気にならないから、本人は意外と悩んでいないことが多いで。
じゃあ問題はない？
本人よりもまわりの人間が苦しくなってることが多いねん。だって、悩み相談をしても態度が冷たいし、「自分のことは自分でやって」って感じで優しくないから。
共感ができないから、まわりがしんどくなっちゃうんやね。
例えば、共感ができない人と結婚をして、ストレスで心身の調子が悪くなることをカサンドラ症候群って言うねん。
カサンドラ症候群とは？
自閉スペクトラム症のパートナーとコミュニケーションや人間関係を築くことができず、その精神的ストレスから心身にさまざまな症状が出る状態
カサンドラ症候群の苦しみについて知りたい人は次のマンガがオススメ👇
まわりの対策・支援
どうやって対応・支援をしていけばいいの？
まずは日常生活の困り感を確認することやね。
本人もまわりの人も困ってなければ、何もする必要はないもんね。
本人が困ってる様子があるなら、人間関係や人の気持ちに関心が向くような声かけが有効やで。
共感が苦手な人への声掛け
◎人間関係で大事なことはルールだけじゃない
◎人間関係は信頼によって維持されている
◎他人の気持ちに注意を向けさせる
◎相手の立場で物事を捉えなおすトレーニング
➡カウンセリングも有効
他人の不満や困り感を本人が理解できていないことも多いねん。だから、冷静に話ができる第三者をいれるのが有効やで。
行動しよう（今の小さな変化が未来の大きな変化につながる）
勉強した後は行動することやで。今の小さな積み重ねが大きな変化を生み出して、より良い未来につながるんやで(^^)/
わかった！ これからもまだまだ学んでいくぞー！
▼発達障害については下の記事でも詳しく解説しています▼
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