このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

特別支援学校の教室って足りてないの?

今回は教室が足りていない理由と打開策を一緒に勉強していこか!
こんな方に読んでほしい
●特別支援学校の現状を知りたい
●教室が足りなくて困っている
●教室不足が将来どうなるのか知りたい
今回の記事で、特別支援学校の教室不足の実態と打開策について理解できます。

絶対にわかるようになるからね!
▼動画もぜひ見てください▼
▼勉強ノート(内容を1枚にまとめたで)

特別支援学校で教室が不足?

全国の特別支援学校で3359教室が足りない!
っていう調査結果が2024年の3月に出たんよ。

文部科学省HP「効率特別支援学校における教室不足調査の結果について」https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01359.html(2025年3月6日確認)
都道府県別:教室不足の現状

それぞれの都道府県によって差があるの?

子どもの数が多い都市圏で多くの教室が足りてないで。ただ、他の都道府県でも結構差があるねん。
特別支援学校の都道府県別の教室不足
東京都➡558教室が足りない
秋田県・栃木県➡足りている
※都道府県ごとの差が大きい(下の表)

https://www.mext.go.jp/content/20240329-mxt_sisetujo-000034597_1.pdf
(2025年3月6日確認)

僕の住んでるところはどうやろう?
教室不足は2年前より少し改善

実は、教室不足は調査が始まった10年前と比べるとだいぶ改善されてるで。
(4271教室が不足➡3359教室が不足)

https://www.mext.go.jp/content/20240329-mxt_sisetujo-000034597_1.pdf
(2025年3月6日確認)

10年前から問題になってるのに、ズバっと解決とはいかないんやね。
教室が足りていない理由

そもそも、なんで教室が足りてないの?

特別支援学校に通う子どもの数が増えて、クラス数も増えてるからやで。
下の表を見てや。

https://www.mext.go.jp/content/20240329-mxt_sisetujo-000034597_1.pdf
(2025年3月6日確認)

少子化で子どもは減っているのに、支援学校に通う子どもはどんどん増えてるね。

子どもが増えると、必要な教室・特別教室もどんどん増えるで。
解決策(熊本県の取り組み)

教室不足を解決するときに難しいことは、「ハコ(校舎)はすぐには変えられない」というやねん。

じゃあどうすればいいん?
教室不足解決の方向性
①今ある教室でやりくりする
②特別支援学校を新設・移転する
①今ある教室でやりくりする

1つ目は、今ある教室でどうにかやりくりするっていう方法やね。

具体的にはどういう方法があるの?
今ある教室でやりくりする
❶特別教室を転用する
特別教室(視聴覚室や美術室など)を、普通教室として使う
❷2つのクラスが1つの教室を使う
例)1ー1と1-2が同じ教室を使う
※特別支援学校は1クラス8人なので1つの教室でも入る

その場しのぎって感じやね。

だから、次の「②特別支援学校を新設・移転する」ことも考えないとあかんねん。
②特別支援学校を新設・移転する

教室のやりくりだけじゃなくて、もっと大きな対策が必要なんやね。

今回、実際に教室不足を改善した熊本県の取り組みを見てみよか。
熊本県の教室不足への取り組み
❶新しい特別支援学校を開設する
❷今の特別支援学校を増築する
❸今ある県の施設を改修して使う

熊本県は、前回調査(令和3年度)で181の教室不足があってん。それが今回調査(令和5年度)では、91にまで改善されてんで。

教室不足を半分に改善できたってことか!
❶新しい支援学校を開設する

1つめの方法は、新しい特別支援学校をつくるっていうことやね。
熊本県は令和1年(2019年)~令和3年(2021年)に新たに4校の特別支援学校を開設しました(そのうちの1校は熊本市立)。

足りないなら、新しく学校をつくればいい! ってことやね。

ただし、実際につくるとなるとお金も時間もめっちゃかかるのが悩みのタネやで。
❷今の特別支援学校を増築する

2つめの方法は、今の特別支援学校を増築するってことやね。
熊本県は、特別支援学校の移転や建物の老朽化に伴う改修や建て替えなどと併せて、今ある特別支援学校の内部改修や増改築を進めました。

足りないなら、工事して教室を増やせばいい! ってことか。

ただし、この方法も時間とお金がけっこうかかるよね。
❸県の施設を改修して使う

三つ目は、今ある県の施設を改修して、そこに特別支援学校を移転させるっていう方法やで。

今ある県の施設ってどういうこと?

例えば、少子化で人が集まらなくなった高校や閉校する学校を使うってことやで。
熊本県の取り組み
◎普通高校の空きスペースに高等部を移転
◎閉校する高校に小学部~高等部を移転

ちなみに小学部➡小学生、中学部➡中学部、高等部➡高校生のことやで。

高校の空いてるスペースを特別支援学校の子どもが使うんか。
大変そう…。メリットはあるん?

大きなメリットはお金と時間がかからないことやで。学校施設をそのまま使えるから、改修費用や時間が少なく抑えれるねん。
今ある県の施設を改修して使うメリット
◎改修のお金や時間がかからない
◎高校の空きスペースを有効活用できる

この方法は他の都道府県でも広がっていくやろね。時間もお金もかからんし、空きスペースも有効活用できて、教室不足改善にも効果が高い。

普通校の先生にも関係ありそうやね。

「2年後、うちの高校に特別支援学校が移転してくる」が普通にありえる。スムーズに移転するためにも、受け入れる側が知っとくべき情報があるんやね。
参考:国からのお金の補助

教室不足は国としてもどうにかしたいから、学校施設の増改築には国からの補助(お金)が出るんやで。
国からの補助の割合【一覧】
◎2分の1の補助金
・特別支援学校の新築・増築
◎3分の1の補助金
・危険な建物の立て直し:耐震
・内外装の模様替えや用途変更
➡バリアフリー化、トイレ改造など
・今ある施設を特別支援学校用に改修

令和6年度までやったら、補助金がこれよりも多く出るで。令和2~令和6年度を教室不足への集中取り組み期間として、国の補助金も厚くしてるんよ。

国も特別支援学校の教室不足をどうにかしたいと思ってるんやね。
まとめ


とりあえず、今、特別支援学校の教室が足りてなくて、都道府県とか国はどうにかしようと頑張ってるってことやね。

特に注目されてるのは、閉校した学校や高校の空きスペースへの移転。すでに移転した学校もあるから、これから全国に広がっていくかもせんね。

今回のニュースを理解してると、今後、特別支援学校の移転の話が出てきても驚かずに行動できそうやわ。

これからも障害ニュースを一緒に学ぼう。時代に流されるんじゃなくて、時代の流れを理解して、自分にできることをしていこう!
参考資料・URL
①文部科学省HP「効率特別支援学校における教室不足調査の結果について(令和5年10月1日現在)」、https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01359.html (2025年3月6日確認)
②公立特別支援学校における教室不足調査の結果について
https://www.mext.go.jp/content/20240329-mxt_sisetujo-000034597_1.pdf (2025年3月6日確認)
③熊本県教育委員会「県立特別支援学校整備計画【改訂版】~知的障がい特別支援学校における教室不足対策~(平成31年(2019年)3月26日)」、https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/112574.pdf (2025年3月6日確認)








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