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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもにうまく対応するにはどうすればいい?

今回は、ASDの特徴を押さえたうえで、支援方法について学んでいこか。
こんな方に読んでほしい
●ASDの子どもとの接し方がわからない
●信頼関係を結べている気がしない
●ASDの子どもに苦手意識がある
今回の記事で、ASDの子どもと良い関係を結べ、指示が通るようになります。

絶対にできるようになるからね!今回は2冊の本から学んできたよ♪

👆発達障害の特性を8個にわけて解説してくれてる。それぞれの特性を詳しく知りたい人にオススメ!ASDへの理解も深まる良い本やで。

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自閉スペクトラム症(ASD)の特徴

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもはどんな特徴があるん?
自閉スペクトラム症の特性(診断基準)
【社会的コミュニケーション障害】+【2つ以上のこだわり症状】

社会的コミュニケーション障害は空気が読めないっていうことやね。

【空気が読めない】と【こだわり】か。もっと詳しく教えて。
ASDの特性【空気が読めない】

自閉スペクトラム症(ASD)の特性は、【社会的コミュニケーション障害】と【こだわり】やねん。

社会的コミュニケーション障害? 聞いたことないわ。

空気が読めない人をイメージしたらいいで。詳しく解説していくわ。
空気が読めない(社会的コミュニケーション障害)の3種類
①相手の気持ちがわからない
②人と目を合わさない
③場にふさわしい行動や発言ができない
①相手の気持ちがわからない

【空気が読めない】の1つ目は、相手の気持ちがわからない?

自閉スペクトラム症(ASD)やと、人の気持ちを察するのが苦手なんよ。だから、コミュニケーションがなかなかうまくいかない。
相手の気持ちがわからないことで出てくる問題
●会話が一方的になってしまう
●人に話しかけるタイミングがわからない
●一緒に遊ぶ友達がいない

ASDの子どもには「相手はどう思う?」とか「相手のことを考えなさい」って叱ったらダメやで。

「相手の気持ちを考えろ」って言われても、子どもは「わからんわー!」とよけいに混乱しちゃうね。
②人と目を合わさない

【空気が読めない】の2つ目は人と目を合わさない?


自閉スペクトラム症(ASD)の人は、他人と目を合わすのが苦手なんよ。

へぇー、そうなんや!

お医者さんがASDの診断を出すときも、目線が合うかどうかを重要視してるんやで。
表情から読み取れるASDのサイン
●目線が合わない
●表情が固く乏しい
●声の大きさやイントネーションが不自然
③場にふさわしい行動や発言ができない

【空気が読めない】の3つ目は場にふさわしい行動や発言ができない?


自閉スペクトラム症(ASD)の人は、その場の空気や雰囲気を察したり、相手の表情を読んで行動するのが苦手なんよ。

そこが苦手やと、いろんな問題が出てきそうやなぁ。
場の空気が読めなくて出てくる問題
●場違いな発言や行動をしてしまう
●社会的な常識を理解できない
●相手に配慮をした話し方ができない
●冗談や皮肉が通じない

「空気が読めない」についてもっと知りたい人は、下の記事を見てや。
ASDの特性【こだわり】

自閉スペクトラム症(ASD)の人はこだわりが強いん?

【こだわり】とひとことで言っても4種類にタイプ分けできるねん
「こだわり」の4種類
①同じ行動や単純な動きをくり返す
②決まった行動・思考パターンをする
③特定の対象への執着(○○マニア)
④感覚過敏

この4つのうち、2種類以上のこだわりがASDの診断には必要やで。
①同じ行動や単純な動きをくり返す


同じ行動や単純な動きってなに?
同じ行動や単純な動きの例
●何度もとびはねる
●くるくるまわり続ける
●頻繁に「あー」や「うー」など同じ声(お気に入りの声)を出す
●指の皮をむしる
●頭をぶつけ続ける

この動きで気持ちを安定させているんよね。

こんな行動にはどう対応すればいい?

基本はほっといたらいい。ただ、自分や他人を傷つけるときは止める必要があるね。

誰かがケガをしそうなときだけ、この動きをやめさせるってことやね。

環境設定も大事やね。頭をぶつける壁にマット。叩くガラスに飛散防止フィルム。他人と距離を取る。工夫はいろいろできると思うで
②決まった行動・思考パターンをする


②は決まった行動パターン・思考パターンにこだわることやで。「①同じ行動や単純な動きを繰り返す」よりも複雑な一連の行動をくり返すんよ。
決まった行動とは
●必ず決まった時間に散歩をする
●細かく決まった習慣を毎日繰り返す
●いつものお店で決まった席に座り、毎回同じメニューを注文する
●どんな状況でもあいさつを丁寧にする
思考パターンへのこだわりとは
●自分の主義主張にとらわれ、他の考えを認めない
●自分の「こうあるべき・こうすべき」を他の人にも求める

柔軟性のない考えや視点、融通が利かない思考も特徴的やで。

こんな子どもはまわりとトラブルになりやすいから注意が必要よね。
③特定の対象への執着(○○マニア)

③は特定の対象への強い執着(○○マニア)やで。自分の好きなことへの強い関心と細部へのこだわりが特徴的やね。


電車とか虫とかにめちゃめちゃこだわってる人も多いよね。
どんなものが好き?
●電車
●切手などのコレクション
●昆虫や岩石採集
●科学実験
●時計などの分解

こんなこだわりは大なり小なりみんな持ってるし、問題なし?

日常生活に支障がなければ問題ないで。好きすぎて借金をしたり、全力すぎて身体を壊すのは注意やな。
④感覚過敏


感覚過敏もこだわりになるん?

感覚へのこだわりって感じ。五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)がめっちゃ敏感で、多くのストレスを感じ、心身の不調が出やすいんよね。
感覚過敏の例
●大きな音が苦手で泣いてしまう
➡避難訓練の非常ベルでパニック
●偏食
➡特定の食べ物ばかりを好んだり、絶対に食べられないものがある
●特定のにおいが好き/嫌い
➡特定のにおいをかぐと安心する
●触られるのが極端に苦手
➡すごく嫌がり落ち着かなくなる

感覚過敏には環境設定が有効やで。音の刺激を減らすためにイヤーマフをしたり、落ち着く色やにおいの小物を持つだけで改善することがあるで。

ただ、休みが多いとどんどん敏感になるから、ほどよく忙しくさせることも意外と大事やで。

休ませるだけじゃなくて、忙しくさせるっていうのも効果的なんやね。
4種類の「こだわり」に共通する特徴

4種類の「こだわり」に共通する特徴があるの?
こだわりに共通する特徴
●邪魔や想定外に弱い
強いストレスを感じ、どうにも落ち着かない。こだわりを「やらなければなりません」の状態になっている。
●自分のこだわり以外には極端に無関心

「こだわり」についてもっと知りたい方は次の記事を見てや。

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、「空気が読めない」と「こだわり」っていう特性で、人と良好な関係を結ぶのが苦手なんやね。
【実践編】ASDの子どもとの関係づくり

自閉スペクトラム症(ASD)の子ども支援していくときは何をすればいい?

ASDの子どもと信頼関係を結ぶには、子どもが大人の言うことを聞きやすい仕組みを作ることが大事やねん。
大人も子どもも楽になる仕組みづくり

子どもが大人の言うことを聞く仕組み(システム)ができると、子どもとの関係がつくりやすくなるんやで。

子どもが大人の言うことを聞く仕組み?どうやってつくるの?

ポイントは「主導権」やで。
仕組みづくりのポイント
①大人が主導権をとる
②ほめる順番を意識する
①大人が主導権をとる


主導権?
主導権とは
・物事を主体的に進める力
・状況をコントロールする能力
・中心的な立場や優位な状態を確立する力

大人が主導権をとって、子どもが安心して大人の言うことを聞ける状況をつくるねん。
ダメ:子どもに主導権がある状況

主導権のイメージがあんまりわかない…。

じゃあまずは、子どもに主導権があるときをイメージしよか。

子どもに主導権があるとき?

大人と子どもの主張がぶつかったときに、子どもが間違った行動をしても、子どもの主張が通っちゃう。これが子どもに主導権がある状況やで。
子どもが主導権を持っている状況(テレビ編)
❶大人と子どもの主張がぶつかる
”テレビを見せたくない大人” VS ”見たい子ども”
❷子どもが間違った行動をする
例えば、ぐずる・暴れる・パニックになる
❸子どもの主張が通る
大人は仕方なくテレビを見せちゃう


ここの問題は、「ぐずれば夢がかなう」と子どもが学習してしまうこと。ぐずる、暴れる、パニックになることが、主張を通す有効な手段になっちゃうんよな。
仕組みづくりの最初の難関
子どもがぐずる・暴れる・パニックになる
➡何をしても、子どもの行動が間違っているときは、子どもの主張を通さない。

最初は大変やけど、2回目、3回目とどんどん楽になるから、踏ん張るんやで!!
大人の言うことを聞いたらなにか良いことがある

大人が主導権をとって、(この大人の言うことを聞いたらなんか良いことあるなぁ)って子どもが実感できればOKやで。

大人に主導権がある状態っていうのはどんなイメージをすればいい?
大人が主導権を取り戻す(テレビ編)
❶大人と子どもの主張がぶつかる
”テレビを見せたくない大人” VS ”見たい子ども”
❷大人が指示(お願い)をする
「トランポリンでジャンプしたら、テレビを見ていいよ」
❸間違った行動では主張は通らない
子どもはぐずる・暴れる・パニックになる
➡でも、テレビは見られない
❹正しい行動をすると主張が通る
トランポリンでジャンプをしたら、テレビが見られる
※いくら暴れてもテレビは見せない

大人のお願い(指示)を聞いたら、子どものやりたいことができるっていうのがポイントやで。

(この大人の言うことを聞いたらなんか良いことあるなぁ)って子どもが実感できれば、大人の指示が通るようになっていくんやね。

大人の指示が通る、つまり大人に主導権があると子どもも楽になっていくんよ。
子どもも楽になる
子どもが主張を通すために、【ぐずったり、暴れたりをくり返す】ことがありますが、この行動は、子ども自身もとても疲れます。
➡子どもが主張を通すために、【大人の言うことを聞く】を実感できれば、子どもは安心して大人の言うことを聞けるようになります。
パニックは気にしない

自閉スペクトラム症(ASD)の子が暴れたり、パニックになると「無理をさせすぎ?」と思って、つい子どもの主張を通してしまうんけど…

強く言っても大丈夫やから、暴れたり、パニックは起きて当たり前ぐらいに思っとけばいいで。ただし、どれだけパニックになっても子どもの主張は通さない。笑
パニックになったときの注意点
①安全確認
壊れそうなものがまわりにないかを確認
②パニック時は黙って見守る
まわりからごちゃごちゃ言わない。でも、子どもの希望は通さない

ASDの子は自己主張が苦手な子が多いから、パニックが自分の意見を伝える手段のひとつになってることが多いねん。だからまわりは落ち着いて対応したらええねん。

パニックで自分の意見を表現してるだけやから、パニックにあたふたするよりも「子どもが何を伝えたいんかな」と考えるきっかけにしたらええんやね。
②ほめる順番を意識する


子どもを単にほめるだけじゃなくて、順番が大事なの?

うん。子どもが安心して大人の言うことをきける状況をつくるために、順番がめっちゃ重要になってくるねん。
ほめるときのコツ
大人の指示(お願い)を子どもの行動の前に入れる
❶大人:子どもができそうなお手伝いや仕事をお願いする
❷子ども:できた!
❸大人:ほめる

子どもが勝手にしたことをほめるだけじゃ、効果は薄いんやね。

順番を意識してたくさんほめることで、子どもが(この人の言うことを聞くとほめてもらえるし、損はないわね (・∀・)ニヤッ )ぐらいに実感できればいいで。
ASDの子どもが目指すゴール


自閉スペクトラム症(ASD)の子ども支援は、どんな目標を持てばいいん?
ASDの子どもが目指すゴール
物と音と文字を結びつけること

物と音と文字を結びつける?

例えば、下のイラストを見て。


このイラスト(物)と、音の「リ・ン・ゴ」と、文字の「りんご」が一緒のものとして理解できるってこと。

目の前の物と音と文字が同じものやとわかるってことか。

理解できるようになったら、将来、収入を得られる可能性が高くなるんやで。
おわりに

今回勉強したことを活かして、なにかやってみるよ!

できるところから少しずつやっていくのが大事やで。

最初は失敗するんが当たり前。でもあきらめずに継続していくのが大事なんやね。

試行錯誤をしてたら、気付けば良い信頼関係を結べるようになってるはずやで。

うまくいくときもいかないときもある。でも進んでいれば少しずつでも良くなっていくんやね。

今起こす小さな変化が、より良い大きな未来につながってるんやで。









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