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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

なんで吃音を学んだ方が良いの?
吃音をなぜ学ぶか?
・間違えた支援をすると悪化するから
・吃音の人は1%(100人に1人)いる
➡関わる可能性が高いから

吃音の子どもと接するときに気をつけることはある?

めっちゃあるで。今回は吃音の子どもへの支援について説明していくわ。
この記事でわかること
●吃音の基本知識
●吃音の子どもへの支援方法
●具体的な声掛けのしかた
この記事を読むことで、吃音の子どもが安心して過ごせる支援の方法がわかります。

絶対にできるようになるからね!
今日は下の本から学んできたよ♪

保護者の疑問に答える形でつくられた、読みやすくてわかりやすい実践書。親・当事者・専門家の声が丁寧に書かれてて、基本知識と支援のヒントが詰まってたで。

支援の情報がぎっしり!資料もあって実践のイメージがわきやすいで。実践編では、就学前から成人までの手記があって、年齢問わず支援のヒントが得られる一冊やで。

吃音に悩む著者の実体験をもとにした一冊。葛藤や成長がリアルに描かれていて、心が揺さぶられた。当事者だけじゃなくて支援者にもぜひ読んでほしい。
▼動画もぜひ見てください!
▼勉強ノート(内容を1枚にまとめたで)

吃音って何?:独特の話し方と特徴

吃音(きつおん)って何?

吃音の子どもは話し方が独特やねん。ここでは、吃音の3つの話し方と特徴について話をしていくで。
吃音独特の話し方

吃音の独特の話し方があるの?
吃音の3つの話し方と随伴症状
❶連発(れんぱつ):繰り返し
❷伸発(しんぱつ):引き延ばし
❸難発(なんぱつ):ブロック
※随伴症状:言葉を出そうとして、顔・手足・全身を動かす

1個ずつ説明していくで!
独特の話し方❶:連発【繰り返し】

独特の話し方の1つ目は連発(れんぱつ)。言葉を繰り返すような話し方やで。
❶連発(れんぱつ):繰り返し
同じ音や語を繰り返す話し方
例:「お、お、お、おはよう」と最初の言葉を繰り返してしまう

最初の言葉がなかなか出てこないんやね。

まわりから不思議がられるんやけど、連発は本人にとって自然な話し方なんやで。
独特の話し方❷:伸発【引き伸ばし】

独特の話し方の2つ目は伸発(しんぱつ)。言葉を引き伸ばすような話し方をするんやで。
❷伸発(しんぱつ):引き延ばし
音を必要以上に伸ばしてしまう話し方
例:「おーーーはよう」と伸ばしてしまう

最初の音を伸ばすから「伸発」って言うんやね。

❶の連発が出ないように本人が工夫することで伸発になることが多いで。工夫すると逆に悪化してしまうのがつらいところやで。
独特の話し方❸:難発【ブロック】

独特の話し方の3つ目は難発(なんぱつ)。言葉が詰まって、一言目がなかなか出なくなるんやで。
❸難発(なんぱつ):ブロック
一言目がなかなか出てこない
例:「・・・・っおはよう」
※随伴症状(ずいはんしょうじょう)が伴うことも多い
→何とか言葉を出そうとして、顔・手足・全身を動かすような症状

難発は言葉が出にくいから、身体を動かしてでもどうにか言葉を出そうとするんやね。
本人が意識・工夫することで悪化する

人によって「難発」から始まる人もおるけど、基本的には、❶連発➡❷伸発➡❸難発の順に悪化していくんやで。

どんどん悪化しちゃうんやね…。
吃音は悪化する
本人が意識・工夫することで悪化してしまう

本人が吃音を意識したり、治そうと工夫することで悪化するっていうのがつらいところやで。
吃音の特徴

独特の話し方の他に、吃音にはどんな特徴があるん?
吃音の特徴
1️⃣スイッチは”人と話そうと構えた”とき
2️⃣原因は不明
3️⃣5%の子どもが経験する
4️⃣吃音は男性に多い

1個ずつ説明していくで。
1️⃣スイッチは「人と話そうと構えた」とき

スイッチってなに?

同じ人でも吃音が出るとき・出ないときがある。そして、吃音が出るときにはスイッチがあるって言われてるねん。
スイッチは人と話そうと構えたとき
・話す相手/場所/内容/時間によって出やすさがある
・波(出やすい/出にくい時期)がある

人に話しかけるときは吃音が出ても、歌うときとか音読では吃音が出ないときもあるんやで。
吃音が出るとき/出ないとき
・吃音が出るとき
人としゃべる/人前で話す/寝言 など
・吃音が出ないとき
独り言/動物と話す/歌う/誰かと声を合わせて音読/けんかのときの悪口 など

吃音を持ってる人でも、吃音が出るときと出ないときがあるんやね。
2️⃣吃音の原因は不明

吃音の原因って何なん?

吃音の原因はわかってないねん。昔は、親のしつけが原因って言われた時期もあったんやけど、しつけは関係ないねん。
吃音の原因は不明
脳に原因があると言われているが、詳しくはわかっていない
※昔は、家庭環境や心理的なこと(緊張や甘え)が原因と考えられていた

「育て方が悪い」とか「度胸をつけさせれば良い」は時代遅れの間違った考え方やで。
3️⃣5%の子どもが吃音を経験する

どれぐらいの人が吃音になるの?
吃音は5%の人が経験する
・初めて吃音が出るのは2〜4,5歳が多い
※5%(100人に5人)が経験
・ただし、大人まで吃音が残るのは1%(100人に1人)だけ

100人中4人は、大人になったら吃音は治るんやね。

そうやねん。大人になったら吃音が勝手に消えてしまうこともあるんやで。でも、「誰が治るか」「どうしたら治るか」はわからないのが現状やねん。
4️⃣吃音は男性に多い

吃音に男女差はあるの?

あるで。一般的に、吃音になる人は男性のほうが多いで。
吃音の男女差
【子ども】女1人に対して男1〜2人
→男子のほうが少し多いぐらい
【大人】女1人に対して男4人
→男のほうが多い(8割が男性)

男のほうが吃音になりやすいんやね。
①支援の基本は悪化させないこと

吃音ってどうやったら治るの?

吃音の支援の基本は、治そうとするんじゃなくて、悪化させないことなんよ。

悪化させない?

そうやねん。さっきも言ったけど、吃音は本人が意識・工夫することで悪化してしまうんよ。

じゃあ、悪化させないためには、どうすればいいの?
吃音支援の基本は悪化させないこと
”吃音が出ない環境”ではなく、”吃音をのびのび出せる環境”をつくる

自然に吃音が出せる環境をつくって、子どもがコミュニケーションを楽しむのが一番大事やで。

吃音がいっぱい出てもいいから、たくさんおしゃべりして~!ってことやね。
吃音が出るのが自然な状態

ここでまず押さえてほしいのが、その子にとって吃音が出るのが自然な状態やっていうこと。

自然な状態?

僕らが関西弁でしゃべるのが「普通」みたいに、吃音の人が独特の話し方でしゃべるのが「普通」やっていうこと。
吃音が出るのが自然な状態
子どもの話を聞きたかったら話し終わるのを待てばいいし、代わりに言っても良い

だから、支援としては、待つ場面もあれば、助け船を出す場面があっても良いんやで。
吃音の子どもへのNGワード

吃音の子どもに言ってほしくない言葉(NGワード)もあるねん。

言ってはいけない言葉?
子どもの吃音が出たとき

まずは、子どもの吃音が出たときの対応について学んでいこか。
吃音の子どもへのNGワード
・ゆっくり話していいよ
・あわてなくていいよ
・落ち着いて話せばいいよ

どこがNGワードなん?

だって、もし自分が「普通」に話してるときに、「落ち着いて話せばいいよ」って言われたらどう思う?

吃音の子どもにとっては、「普通」にしゃべってるのに励まされてる感じになるんか。これは、(自分の話し方ってヘンなんかなぁ)って思わせてしまうね。
子どもの吃音が出たときの支援
余計な声掛けをせず、話し終わるのを待つだけで良い
子どもに質問をされたとき

次は吃音の子どもに「どうしてこんな話し方になるの?」って聞かれたときの対応を学んでいこか。
質問をされたときのNGワード
・大丈夫だよ
・別に変じゃないよ
・ちゃんと話せてるよ
・私は全然気にならないよ

どこがNGワードなん?

このNGワードを大人に言われちゃうと、2回目以降、吃音について質問しにくくなるんよ。

じゃあ、どう言えばいいん?
質問されたときの支援
吃音についての知識・情報を伝える
②まわりの子ども・親の理解

吃音を悪化させないためには、まわりの子ども・親が吃音を理解することが1番大事やねん。

なんでなん?
まわりの子ども・親の理解が必要な理由
まわりに笑われる・からかわれる
→本人が吃音が出ないように工夫する
→症状が悪化してしまう
※まわりの理解で悪化を防げる

まわりの人が吃音について理解できれば、その子を笑ったり、からかうこともなくなるよね。
「様子を見る」はダメ

だから、本人やまわりが吃音について気になりだしたときに、「様子を見ましょう」はダメやで。

なんでなん?
「様子を見る」はダメ
・まわりは吃音を知らないから笑う/からかう
・まわりが「あれ?」となっているなら、すぐに支援に動く

本人が苦しんで、変な工夫をする前に支援をする必要があるんやで。
まわりの吃音理解を深める

まわりの子ども・大人の吃音への理解を深めるために、何ができるん?
まわりの吃音理解を深める
❶吃音の症状を説明する
❷みんなでできることを考える
❶吃音の症状を説明する

まずは吃音について知ってもらうことが大事やで。

知ってもらう?
まわりに知っておいてほしいこと
・原因は不明
・連発→伸発→難発と悪化していく
原因は不明

「原因は不明」ってことは知っておいてほしいな。じゃないと的外れの声掛けになってしまうんよ。
的外れの声掛け
・あわてなくてもいいよ
→あわててなくても出る
・ゆっくり話したらいいよ
→ゆっくり話してても出る
・落ち着いて!
→落ち着いてても出る
・緊張しなくていいよ
→緊張してなくても出る

こんな声掛けはダメなんか。相手のことを気遣ってる感じやのに、本人の混乱・困り感を増やすんやね。
連発→伸発→難発と悪化していく

あと、まわりに知っといてほしいのは「吃音は悪化していく」っていうこと。

連発→伸発→難発って悪化していくんやったね。

吃音を悪化させずに、吃音をのびのび出せる環境をつくるために、まわりの協力が絶対に必要になってくるんやで。
❷みんなでできることを考える

吃音についての基本知識を知ってもらったあとは、どうすればいい?

もし学校の先生とかで、まわりの子どもたちにむけて話ができるんやったら、吃音の子どものために「みんなでできることを考える」のがオススメやで。

みんなでできること?

吃音支援に1つの正解はないんよ。人によって困っていることや希望が違うからね。だから、本人とクラスのみんなで、支援方法を一緒に考えていくんやで。

吃音をきっかけにして、子どもたちの話し合いの場をつくるんやね。

吃音を正しく理解して、吃音をのびのび出せるような環境を作っていってほしいで。
通級も利用できる

学校やったら「通級(つうきゅう)」を利用するのもアリやで。

通級ってなに?
通級とは?
通常の学級に所属しながら、決まった曜日・時間に「ことばの教室」で別指導を受けることができる
【番外編】吃音は治せる?:スムーズに話す工夫

最後に、【番外編】として、吃音を減らしてスムーズに話すための工夫について話していくわ。

でも、スムーズに話すために工夫することで悪化していくんじゃなかったっけ?

そうやねん!だから、「吃音がのびのび出せる環境」を作る支援が基本やっていうことは絶対に忘れたらあかんで!その上で、これからの話を聞いてほしいで。
スムーズに話すための工夫
①吃音を治療するための言語訓練
②一言目を出やすくする工夫
①吃音を治療するための言語訓練

ここから先は支援してる人向けの話。吃音に悩んでる本人は、勝手に工夫せずに、ぜひ家の近くの専門家と一緒に取り組んでや。
吃音を「必ず治す方法」はない

そもそも、「吃音を必ず治す方法」はないんよ。

でも、「吃音が治った」っていう人もおるよね?
吃音は治るの?
約80%は「治る」と言われるが、治った理由はわからない
⇒「必ず治す方法」というものはない
言語訓練とは

専門家の中には、情熱をもって吃音を治療するための言語訓練に力を入れてる人もおるんやで。

言語訓練?
言語訓練の種類
1️⃣流暢性形成法(りゅうちょうせいけいせいほう)
2️⃣吃音緩和法(きつおんかんわほう)
3️⃣統合法(とうごうほう)
1️⃣流暢性形成法(りゅうちょうせいけいせいほう)

流暢性形成法は、吃音が出ない話し方を練習することやで。
流暢性形成法の訓練内容
・呼吸や発話の仕組みを学ぶ
・話す速度を調節する
・声の出し方を練習する
2️⃣吃音緩和法(きつおんかんわほう)

吃音緩和法は、吃音が出ても、苦しくない話し方を練習するんやで。

自分なりの楽な声の出し方を練習するってことやね。
吃音緩和法の訓練内容
・自分が出しやすい発声方法を練習する
・苦手な場面での工夫を考える
3️⃣統合法(とうごうほう)

統合法は、1️⃣流暢性形成法と2️⃣吃音緩和法の両方の良いとこ取りをした方法やで。

良いとこ取り?

1️⃣流暢性形成法みたいに吃音が出ない話し方の練習と2️⃣吃音緩和法みたいに吃音が出ても、苦しくない話し方の練習をしていくんやで。
言語訓練の他にも…
呼吸や発話ではなく、出来事の捉え方をかえるような心理的なアプローチもある
②一言目を出やすくする工夫

吃音は最初の言葉が出にくいから、「タイミング障害」とも言われるねん。

タイミング障害?
吃音はタイミング障害
最初の言葉が出にくい。だからこそ、一言目が出るとスムーズに話しやすい

だから、最初の言葉が出るような工夫をしてる人もおるで。ただし、試してみるのは良いけど、悪化しそうになったらすぐに専門家に相談するんやで!!
最初の言葉を出す工夫
①言葉を置き換える
②ジェスチャーで呼吸のリズムをとる
③言いやすい言葉をくっつける
①言葉を置き換える

言いたい言葉を別の言葉に置き換えるってこと?

うん。同じ意味の言葉とか、カタカナ語を使って別の言葉にするんやね。
別の言葉に置き換える
◎言い換え(同意語・カタカナ語)
予定→スケジュール
催し→行事・イベント
机→デスク・テーブル
◎指示語
これ・それ・あれ

人によって言いにくい言葉が違うから、自分が言いやすい言葉を探していくんやね。
②ジェスチャーで呼吸のリズムをとる

ジェスチャーをつけて体の呼吸のリズムをとると、一言目が出やすくなるんやね。

ただし、随伴症状(顔・手足・全身を動かしながらなんとか言葉を出そうとする)が出ないようによく注意しながら、すすめていくのが大事やで!
③言いやすい言葉をくっつける

言いにくい言葉の前に言いやすい言葉をくっつけると、話しやすくなるの?

一言目が出にくいから、自分が言いやすい言葉を先にくっつけちゃうってことやね。
言いやすい言葉をくっつける
例:「ありがとう」が言いにくい
→「『どうも』ありがとう」にする

ただし、何回も言うけど、工夫することで悪化したらあかんから、違和感があったらすぐに専門家に相談するんやで!
さいごに【行動しよう】

支援で大事なのは、悪化させない支援とまわりに理解をしてもらうことやで。

そのためにも、今回の記事で吃音について正しく理解するのが大事やね。

そして今回学んだことを、ぜひ行動につなげていってほしいな。これからも一緒に学んでいきましょ♪







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