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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

特別支援学校を卒業した後のお金ってどれぐらいかかるん?

人によって違うからなぁ。じゃあ今回は、稼ぐお金・生活にかかるお金・もらえるお金(障害基礎年金)について整理していこか。
こんな方に読んでほしい
●卒業後のお金のことを知って不安を解消したい
●特別支援学校の担任・進路の先生
●障害児に関わっている人

親や子どもとお金の話ができる先生は信頼されるで。
今回の記事で、卒業後のお金の流れをイメージできるから、不安解消と適切な準備が進められます。

絶対にできるようになるからね!今日は下の本で学んだよ♪

👆親が死んだ後にどうする?について書かれた本。実際の相談をもとにつくられててお金の全体像をつかむのに最適やな。学校の先生よりも保護者に読んでほしい一冊。
▼動画もぜひ見てください!
▼勉強ノート(内容を1枚にまとめたで)

特別支援学校の在学中にすべきこと

お金関係で、特別支援学校におる間にしといた方がええことをまず話すわ。

在学中にしといた方がええことがあるんやね。
特別支援学校の在学中にした方が良いこと【お金関係】
◇障害者手帳を取る(特に知的・精神)
◇精神科とつながる(高校生以上)
障害者手帳を取る(特に知的・精神)

親や本人が手帳を取りたがらないことがあるけど、絶対に取った方がええで。

なんで?

受け取ることができる支援【お金関係】がめちゃめちゃ増えるからやねん。
◇障害者手帳で受けることができる支援【お金関係】
・医療費が安くなる
・電車などの交通費が安くなる
・水道料金が安くなる(自治体による)
・高速道路が安くなる
・自動車税や自動車取得税が安くなる
・携帯電話の通信料が安くなる(通信会社による)
・NHKの受診料が安くなる
・遊園地の入園料が安くなる(場所によっては並ぶ時間も短くなる)
などなど

医者の診断書でも良いんやけど、診断書を書いてもらうお金や手間がけっこうかかるねん。
医者の診断書の有効期限は、一般的に3カ月だけ。

だから障害者手帳を取っといた方がええんやね。
精神科とつながる(高等部)

あと、在学中にやっといた方が良いのは、精神科とつながっておくことやで。

精神科とつながる?

受診をしていつでも相談できるようにしておくってことやね。

確かに小児科に診てもらってる人も多いもんね。でも、お金と関係あるん?

うん。障害基礎年金をもらうときに関係する人が多いで。
精神科の受診はお金と関係あるの?
障害年金をもらうときに障害の状態を評価し、診断書をつくってくれる
考えておくべき【子どもの進路先と生活の場】

在学中に、子どもの進路先と生活する場所は考えておくべきやで。

生活する場所って、卒業後も実家で暮らすんじゃないの?

実家で暮らす卒業生が多いからこそ、親が死んだ後とかの生活の場所を考えておかなあかんねん。
在学中に考えておくべき進路先と生活の場【タイプ別のモデルケース】
◇重度の子ども
生活の場をイメージした進路を考える
◇中度の子ども
自分に合った仕事とグループホームを探す
◇軽度の子ども
本人・親・関係者でたくさん話し合うことが大切
重度の子ども

重度の子どもは、生活の場をイメージした進路を考えることやね。

生活の場ってどんなところ?

入所施設とかグループホームで生活する子どもが多いかな
障害者支援施設への入所
トイレなどの日常生活の介護支援、お風呂も入れてくれる
障害者グループホーム
サポートを受けながら、共同生活ができる場所

重度の子どもは、卒業後に親元を離れてしまえば、お金の心配はほとんどいらない。

だから、実家を離れても本人が落ち着いて過ごせる生活の場所が重要なんやね。
重度の子ども
親元を離れてしまえばお金の心配はほとんどいらない
➡だからこそ、本人が落ち着いて過ごせる生活の場を探しておく
中度の子ども

中度の子どもは、自分に合った仕事とグループホームを探すことやね。
障害者グループホーム
サポートを受けながら、共同生活ができる場所

中度と軽度やったら、卒業後もほとんど実家におる子どもが多いと思うけど?

すぐに家を出ないからこそ、親が死んだあとをイメージしとくことが大事やねん。
本人がひとりでも続けられる仕事や生活の場所をイメージしておこう。

親もいつ死ぬかわからんもんねぇ
中度の子ども
障害者グループホームに入れば、生活にかかるお金は食費と水道光熱費のみ。
➡月に数万円稼ぐことができて、適切な支援を受けられる進路先を考える
軽度の子ども

軽度の子どもは、本人・親・関係者でたくさん話し合うことが大切やね。

それだけ? 他になんかアドバイスはないの?

軽度の子どもは、進路先も生活の場もバラバラで人によって違うんよ。だから、みんなに通用するアドバイスができないんよ。

話し合いを重ねて、それぞれの希望と現実をすり合わせていくのが大事なんやね。
軽度の子ども
進路も生活の場も選択肢が増える
➡本人・親・関係者で定期的に話し合うことが重要

これから解説する、①稼ぐお金、②生活にかかるお金、③もらえるお金【障害年金】について理解を深めて、より良い話し合いをしてほしいね。
卒業後のお金

卒業後の子どもたちに関係するのは、①稼ぐお金、②生活にかかるお金、③もらえるお金【障害年金】やね。
【稼ぐお金】卒業後はどれぐらい稼げるの?~事業所別平均月給~

障害を持った子どもでも、お金を稼げるところってあるん?

障害を持ってても稼いでる人はたくさんおるで。
主な進路別に平均給料を見ていこか。
特別支援学校(知的障害)卒業後【主な進路別の平均月給】
◇一般企業(障害者雇用):13万7000円
◇就労継続支援A型事業所:8万6752円
◇就労継続支援B型事業所:2万3053円
◇生活介護事業所:6131円
一般企業(障害者雇用)

一般企業の障害者雇用枠は、障害の種類によってもらえる給料も変わってるで。
一般企業(障害者雇用)の平均月給【障害種別】
身体障害者:23万5000円
知的障害者:13万7000円
精神障害者:14万9000円
発達障害者:13万0000円
厚生労働省HP「令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します」

なんでこんなに差があるの?

一番給料が多い身体障害者は正社員の割合が多くて、労働時間も長いで。
の割合のコピー-1024x864.jpg)

身体障害者は正社員でいっぱい働いてるってことやね。
就労継続支援A型事業所

就労継続支援A型事業所は福祉サービスの一つやで。働くことを支援してくれるから、一般企業で働くのが難しい人も働きやすいねん。
就労継続支援A型事業所の平均月給
8万6752円
参考:厚生労働省「令和5年度工賃(賃金)の実績について」

一般企業より、もらえるお金は少ないんやね。

実は時給は同じぐらいやねん。
A型事業所は働く時間が少なくて、平均給料が少なくなってる人が多いで。
就労継続支援B型事業所

就労継続支援B型事業所も福祉サービスの一つやで。A型よりも支援してくれる人が多いから、B型の方が働きやすいねん。
就労継続支援B型事業所の平均月給(工賃)
2万3053円
参考:厚生労働省「令和5年度工賃(賃金)の実績について」

B型になると一気に少なくなるね。 最低賃金にも届いてないけど…

B型は時給を設定していないからこそ、障害に合わせた柔軟な働き方ができたり、休憩が取りやすいねん。
就労継続支援のA型とB型の違いは雇用契約
A型:雇用契約あり➡最低賃金が保証される
B型:雇用契約なし➡最低賃金が保証されない
生活介護事業所

生活介護事業所も福祉サービスの一つやで。ここは日常生活の支援をしてくれる場所やねん。事業所によって内職やお手伝いをしてお金をもらえることがあるで。
生活介護事業所の平均月給(工賃)
6131円
参考:WAMリサーチレポート「2023年度日中活動系障害福祉サービスの経営状況」

生活介護は日常生活を送るのがメインやから、あんまりお金は稼げないんやね。

B型は時給を設定していないからこそ、障害に合わせた柔軟な働き方ができたり、休憩が取りやすいねん。
就労継続支援のA型とB型の違いは雇用契約
A型:雇用契約あり➡最低賃金が保証される
B型:雇用契約なし➡最低賃金が保証されない

特別支援学校の進路の決め方に興味のある人は、下の記事を見てや。
【生活にかかるお金】過ごす場所によってかかるお金

特別支援学校を卒業した後に、生活する場所としては主に4つあるで。
特別支援学校卒業後の生活の場にかかるお金
◎実家でそのまま暮らす➡生活にかかるお金は変わらない。
◎一人暮らし➡家賃をはじめ、生活費がかかる。
◎グループホーム➡食費と水道光熱費がかかる。
◎障害者支援施設への入所➡お金はほとんどかからない。

もうちょっと詳しく説明してほしいな。
実家でそのまま暮らす

ほとんどの卒業生は、実家でそのまま暮らすことが多いかな。
仕事や人によるけど、生活にかかるお金は在学中とほとんど変わらないね。
実家でそのまま暮らす場合、生活にかかるお金は在学中と変わらない。

ただ、(親が死んだあとにどうする?)とか(高齢になったらどうしよ?)とかの不安はありそうやね。

うん。だから、実家以外で本人が過ごせる場所や生活していく方法について、親が生きている間に考えとく必要があるで。
一人暮らし

卒業後すぐに、一人暮らしをする人はあんまりおらんけど、選択肢のひとつにはなるね。ただ、家賃もあるし、生活費が一番かかるで。
一人暮らしの場合、家賃などの生活費をはじめ、生活にたくさんのお金がかかる。

実家暮らしと比べると、家賃とか光熱費が単純にプラスされるもんね。

ただ、障害者の一人暮らしへの支援はあるで。日常生活の福祉サービスを受けることができるし、公営住宅にも入りやすいねん。
グループホーム

グループホームは、サポートを受けながら共同生活ができる場所やね。かかるお金のメインは食費と水道光熱費やで。地域によるけど2~3万円ぐらいかなぁ。
グループホームの場合、主にかかるお金は食費と水道光熱費

家賃はかからないの?

グループホームに入ると親と別世帯になるから、ほとんどの障害者は非課税世帯になるねん。だから、家賃や支援サービスがほぼ無料で利用できるで。
障害者支援施設への入所

障害者支援施設は食事やトイレといった日常生活の介護・支援をしてくれる場所やで。お風呂にも入れてくれる。ここに入所できれば、お金はほとんどかからない。
障害者支援施設への入所の場合、お金はほとんどかからない。

えっ! お金がかからんの?

厳密にいうと、障害年金だけで生活ができるってこと。入所する人は、ほぼ100%障害年金をもらえるから、年金だけで生活できるように設計されてるねん。
【もらえるお金】障害基礎年金

障害年金は障害者が毎年もらえるお金のことやね。

20歳からもらえるお金で、もらえるお金は障害の重さによって決まるよ。
障害基礎年金はどれぐらいもらえる?
1級➡月に約8万6600円(年で1,039,625円)
2級➡月に約6万9000円(年で831,700円)
参考:日本年金機構HP「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」

ただし、特別支援学校を卒業してても、もらえないことがあるで。

卒業生のみんながもらえるわけじゃないんやね。
障害基礎年金をもらうための3つの条件

障害基礎年金をもらうためには3つの条件に当てはまる必要があるで。
障害基礎年金をもらうための3つの条件
①初めて障害の診断を受けた日がわかること
②社会保険料をちゃんと払っている人
③初診日から1年6カ月たったときにも、障害が残っていること

社会保険料ってなんやったっけ?

勝手に給料から引かれてるお金やね。笑
成人した後に事故とかで障害者になった人向けの条件やね。

知的障害でも同じ条件なん?

知的障害は「生まれつきの障害」って言われるんよね。
だから、①と②は関係ないし、③も少し内容が変わるで。
障害基礎年金をもらうための3つの条件【知的障害者は?】
①初めて障害の診断を受けた日がわかること
➡関係なし
②社会保険料をちゃんと払っている人
➡関係なし
③初診日から1年6カ月たったときにも、障害が残っていること
➡20歳の誕生日前日の障害の状態を見て判断される

だから在学中に精神科とつながっておくのが大事なんよ。顔見知りの精神科の先生に障害の状態をきっちり評価してもらって、障害年金をもらいたいよね。

お金の面だけじゃなくて、大人になってからも相談できる場所があるって安心やね。
生活保護

「どうしても生活ができない!」ってときは生活保護も考えてみて。障害基礎年金をもらってる場合でも、もらっていない場合でも、生活保護はもらえるで。

セーフティーネットとして生活保護があるのは安心やね。
申請の仕方とかがわからなかったら、周りの人に相談してみたらいいね。

しかも、生活保護には障害者加算っていう制度があるねん。
障害者には生活保護にプラスして、月に1~3万円ほど追加でもらえるんやで。
生活保護の障害者加算制度とは?
申請の手続きをすることで、月に1万5000円~2万5000円ほど加算される。
※市町村や個人の障害の程度によって、金額が異なる。
行動しよう(今の小さな変化が未来の大きな変化につながる)

勉強した後は行動することやで。お金は「なんとなく不安…」ではなく、現実的な数字を理解して対処するんやで。良い対処をすると良い未来が待ってる (^^)/

わかった!これからもまだまだ学んで行動していくぞー!
▼参考記事▼










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