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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。
動きがぎこちない子どもは何かの障害なん?
確かに発達障害の子どもは不器用なことが多い。ちょっと詳しく勉強していこか。
こんな方に読んでほしい
●動きがぎこちない・不器用なことの問題点を知りたい
●子どもの運動が苦手・不器用さが気になる
●トレーニング方法を知りたい
今回の記事で、子どものぎこちなさを理解し、改善していくことができます。
絶対にできるようになるからね!今日は下の本で学んだよ♪
👆発達障害を学びたい人の必読書。例がたくさんあってわかりやすく。特性ごとにまとめるから興味のある所から読んでや。初心者から中級者にもおすすめの本やで。
👆「不器用な子どもにどう接すればいいのか?そんな悩みに答えた本。不器用な子どもが持つ悩みを深掘りし、対処法について詳しく解説してくれてるで
▼この記事の動画版もあります▼
▼今回の内容を1枚にするとこんな感じ▼
※高画質な画像はXにアップしています。
https://x.com/manabu_syogai/status/1850256610352042268
動きがぎこちない人は何の障害?
発達障害の人には不器用やったり、動きがぎこちない人が多いってほんま?
ほんまやで。自閉スペクトラム症でも、ADHDでも、学習障害でも、知的障害でも、運動が苦手・手先が不器用・バランス感覚が悪い場合が多いで。
なぜ 動きがぎこちない?
小脳(体中の筋肉に細かい指令を出し、それがきちんとできるようにコントロールしたり、全体のバランスを取っている)の発達が悪いと動きがぎこちなくなる。
※脳全体の発達が悪い場合や発達のばらつきがある場合に、小脳の発達も悪くなる。
動きがぎこちないだけでは発達障害とは診断されない
ただし、動きがぎこちなくて不器用なだけでは発達障害とは診断されないんよ。
そうなん?
ただ、子どもで不器用さが特に目立つなぁってときは、発達障害よりも診断が簡単な発達性協調運動障害って診断されることもあるで。
発達性協調運動障害
発達性協調運動障害ってなに? 漢字が多い…。
そんなときは言葉を分解して意味を考えてみよう。
発達性協調運動障害とは…
発達性:発達が遅い、発達のバランスが悪い
協調運動:左右の手足を組み合わせて行う動き
障害:日常生活に支障が出ている状態
➡協調運動の発達が遅くて日常生活に支障がでている状態
協調運動ってなに?
協調運動(左右の手足を組み合わせて行う動き)の例
・行進する
・ハサミで紙を切る
・りんごの皮むき
・縄跳び
・スポーツ
・ダンス
発達性協調運動障害やと、次のような行動がでるで。
発達性協調運動障害にあらわれる行動
・ものをよく落とす
・人や物によくぶつかる
・よくケガをする
・字が汚い
・自転車に乗れない
・楽器やゲームがうまくならない
発達障害と診断されるかどうかよりも、「動きがぎこちない・不器用」っていう特性を理解して有効な対処につなげることが大切やね。
動きがぎこちない・不器用な子どもへの支援
じゃあ、動きがぎこちない・不器用な子どもにはどう支援していけば良い?
動きがぎこちない・不器用さを見つけるきっかけ
まずは子どもの動きがぎこちない・不器用さを見つけることやね。
どうやって見つけるの?
動きのぎこちなさを見つけるきっかけ
・歩きだしが遅い
・積み木がなかなか積めない
・ハサミ、鉛筆、お箸の使い方がおかしい
・ボタンを自分でかけることができない
・自分で着替えができない
・靴ひもが結べない
・歩いているときや走っているときにバランスが悪い
あと、簡単にできて役に立つ検査で閉眼ステッピングっていうのがオススメやで。
閉眼? 目を閉じて…なにをするん?
簡単で役立つ検査:閉眼ステッピング
子どもは両手を大きく振って足踏み行進をする➡そのまま目を閉じて足踏み行進を続ける
◇協調運動がスムーズにできない子どもは…
手と足のバランスが悪いだけでなく、左右どちらかに回転しはじめる。
閉眼ステッピングの検査で、早い段階から発達の課題に気付くことができるで。
ぎこちない・不器用なことで起こる問題
動きがぎこちない・不器用なことでなにか問題あるん?
出てくる問題をちょっと整理してみよか。
◇運動が苦手
学校の体育の時間や運動会で苦痛を感じることが多い
体育だけじゃなくても、子どもによっては着席が苦手なこともあるんよ。
◇身体の不器用さは、社会的な不器用さとも連動しやすい
コミュニケーション、対人関係、こだわりなどでもバランスが悪い
➡相手に不利な印象を与えてしまう、からかいの対象になる
◇字が汚い
文字を読む・書き写すのがうまくできない。
➡字が汚いだけで先生の評価が悪くなりがち
逆に字がきれいなだけで頭良さそうやもんな。笑
字が汚いのは、目をスムーズに動かせないからなんよね。実は、身体の動き(協調運動)と目の動き(眼球運動)は関係が深いんよ。
目の動きで協調運動の得意・苦手を測る検査
子どもの顔の前で、大人が指先をゆっくり左右に動かす。子どもはその指先を目で追う。
➡協調運動の苦手な子どもは、指先をスムーズに追えない。目が途中で止まったり、突然逆戻りするなど、ぎこちない動きになる。
ぎこちない動きや不器用さを改善するトレーニング
トレーニングで動きや不器用さを改善することはできるん?
あきらめずにトレーニングすることで少しずつでも改善していくで!
トレーニングをすると…
➡不器用を克服+社会的スキルの改善
コグトレ(認知力アップのトレーニング)
まず試してほしいのはコグトレやな。
コグトレ? なにそれ?
コグトレって何?
コグトレ(コグニティブトレーニング)とは
①学習の土台になる認知力
②良好な人間関係を築く対人力
③身体や手先を上手に使う身体力
◇この3つを伸ばすことを目的にしたトレーニング
認知力・対人力・身体力を鍛えることで不器用さを改善していくトレーニングやで。
身体だけじゃなくて、認知力とか対人力もトレーニングするの?
身体が不器用な子どもは社会的な不器用さとも連動しやすいから対人力のトレーニングが必要なんよね。
さらに、人の言葉や行動をゆがめて理解することで生き方が不器用になってることも多いから、物事を正しく見る練習が必要なんよね。これが認知力のトレーニング。
コグトレの始め方
身体が不器用な子どもは、人間関係の不器用さとか生きづらさも感じてるってことか。コグトレはどうやってスタートすればいい?
まずは下の本を買うのがオススメ。コグトレをするときの心構えや、認知力・対人力・身体力について詳しく説明してくれてるし、問題例もたくさん載ってるで。
コグトレの問題をどんどん取り組ませたいってときは問題集も使ったらいいね。
「どうしても無料でしたい!」っていう人は、「コグトレ 無料」で検索すると問題がいっぱい出てくるで♪ 問題を選んだり印刷が面倒やけど…。
『ケーキの切れない非行少年たち』
コグトレをつくった人が書いた本で『ケーキの切れない非行少年たち』っていう本があるねん。
非行少年はケーキが切れないの?
境界知能とかグレーゾーンが世間に注目されるきっかけにもなった本で、認知力が弱いことで出てくる生きづらさが生々しく書かれてて「まじか!?」の連続やったわ。
少し前の本やけど、まだ読んでない人はぜひ読んでほしい!
習い事(スポーツや楽器)
習い事も効果ありやで。
どんな習い事がオススメ?
左右の手足を使うスポーツや楽器
スポーツ:球技・体操・水泳
楽器:ピアノ(左右違う動き、足を使う)
ヴィジョン・トレーニング(目のトレーニング)
動きがぎこちない子どもは、目の動きもぎこちないんよ。
身体の動き(協調運動)と目の動き(眼球運動)は関係が深い
子どもの顔の前で、大人が指先をゆっくり左右に動かす。子どもはその指先を目で追う。
➡協調運動の苦手な子どもは、指先をスムーズに追えない。目が途中で止まったり、突然逆戻りするなど、ぎこちない動きになる。
だから、目を動かすトレーニングをしようってことやね。
ブレインジムを取り入れたトレーニング
こんな子どもがおってん。
◇黒板を写すのが苦手な中学1年生
生徒の悩み:黒板とノートを行き来すると、どこを見ているのかわからなくなる。
支援者の行動:ヴィジョン・トレーニング(目のトレーニング)をしよう!
結果:字が上手になった/文字がスムーズに読めるようになった。
でもまだ黒板を写すのはうまくできない。
ヴィジョン・トレーニングでは思ったような結果が出なかったんやね。
そこで(目の動きが悪いだけじゃなくて、目と手の動きが連動してないんじゃないか?)と思った支援者が考えたのがブレインジムを取り入れたトレーニングなんよ。
ブレインジムとは?
脳を活性化させる体操(アメリカの教育学博士ポール・デニソンさんが開発)
ブレインジムを取り入れたトレーニングをしたことで、この生徒は黒板もうまく写せるようになって、成績も上がっていったんよ。
◇黒板を写すのが苦手だった中学1年生は…
子どもは最初はうまくいかず苛立ち、意欲をなくす
➡まわりに励まされながら続ける
➡黒板を写すことが急にできるようになる
➡学習全般に意欲が出る
行動しよう(今の小さな変化が未来の大きな変化につながる)
勉強した後は行動することやで。今の小さな積み重ねが未来の大きな変化につながるんやで(^^)/
わかった!これからもまだまだ学んでいくぞー!
▼発達障害については下の記事でも詳しく解説しています▼
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