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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。

成績は良いんやけど、行動がちょっと気になる子がおる。これがギフテッド?

今回はギフテッドの全体像と学校でできる支援を学んでいこか。
こんな方に読んでほしい
●成績は良いけど、行動が気になる子どもがいる
●発達障害の対応をしてもうまくいかない
●ギフテッドの子どもの支援がしたい
●親に「この子はギフテッドです」と言われて困っている
今回の記事をきっかけに、ギフテッドの子どもと良い関係を築いていきましょう。

絶対にわかるようになるからね!
今日は次の本から学んできたよ♪

マンガと解説があるから初めて学ぶ人にオススメやで。ギフテッド本人や関係者の声も紹介されてるからギフテッドの全体像と現状を知ることができたで。

ステキな文章で一気に読んだわ。研究の話で難しい内容やのに、言い回しがうまくて読みやすい。要所要所に人の好さも出てる文章。より詳しく知りたい人にオススメ。

がっつり勉強したい人向け。分厚くて文字は小さいけど、事例が具体的で共感できたし、翻訳が自然で読みやすかったで。日本でもピンとくる内容ばっかりやったわ!
▼動画もぜひ見てください!
▼勉強ノート(内容を1枚にまとめたで)

ギフテッドの子どもとは

ギフテッドってそもそもなんなん?

生まれつきの才能を神様から贈られた(ギフトされた)っていう意味でギフテッドって言われるんやで。

生まれつき? 才能?

医学的な定義はないけど、①知能が高い、②配慮や支援が必要な子どものことやで。
ギフテッドとは?
①知能が高い
②配慮や支援が必要
①知能が高い

知能が高いってどういうこと?

ちゃんとは決まってないけど、IQ130以上※が一つの目安やな。割合で言うと2.3%の子どもが当てはまるで。
※参考:内閣府、総合科学技術・イノベーション会議「Society 5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kyouikujinzai/saishu_print.pdf、2022年。

50人に1人ぐらいおるってことか。どんな特徴があるん?

同い年の子どもよりも、数学年上のレベルの言葉や数字を使いこなすで。芸術的なセンスもある。特性についてもっと知りたい人は下のリストを見てや。
ギフテッドの特性リスト
①早ければ乳幼児期から並外れた注意力が見られる
②習得が早い。考えを素早く関連付けまとめられる
③多量の情報保持。記憶力が非常に良い
④年齢の割に並外れた語彙と複雑な文章構造をもつ
⑤言葉のニュアンス、比喩、抽象的な考えに対する高度な理解力がある
⑥数字やパズルを含む問題を好んで解く
⑦就学前に、ほぼ独学で読み書きスキルを身につける
⑧並外れた感情の深さ、感情の激しさ、過敏さ
⑨抽象的、複雑、論理的で洞察力のある思考
⑩幼少期から理想主義と正義感が見られる
⑪社会的・政治的問題や不公平さ・不公平さへの関心を示す
⑫長時間の注意持続、粘り強さ、強烈な集中力
⑬自身の考えることで頭がいっぱい。白昼夢。
⑭自身や他者のできない状態や遅い状態にいたたまれなくなる
⑮基本スキルをあまり練習なしに早く習得する
⑯鋭い質問。教えられたこと以上のことをする
⑰興味関心の幅が広い(ただし、1つの分野への強い関心を見せることもある)
⑱高度な好奇心、途絶えることのない質問
⑲実験や違う方法で試すことへの興味関心
⑳ふつうは考えないような方法や斬新な方法で考えやものごとをまとめる傾向(拡散的思考)
㉑鋭くときに並外れたユーモア、特にダジャレを使ったユーモアのセンスがある
㉒複雑なゲームや枠組みなどを用いてものごとや人を仕切りたがる
㉓想像上の友達がいる(未就学児)。鮮明なイマジネーションがある
参考:ジェームス・T・ウェブら著『わが子がギフティッドかもしれないと思ったら: 問題解決と飛躍のための実践的ガイド』春秋社刊、2019年。
②配慮や支援が必要

ギフテッドの子どもは、特別な配慮や支援が必要やで。

成績が良いギフテッドの子どもに支援が必要なん?
支援の昔と今
昔は勉強ができない子ども支援がメイン
➡今は勉強ができる子ども支援も重要

突出した能力や豊かな感受性ゆえに、苦しみも多かったりするんよね。同年代の子どもと話も合わんし。

困ったり、苦しんでることが多いから、まわりの支援が大事なんやね。
◇日本のギフテッド支援
2021年に「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」を立ち上げた
◇北欧のギフテッド支援
デンマークではチェックリストを活用して、ギフテッドの早期発見に力を入れている
ギフテッドの特徴と生きづらさ

ギフテッドの子どもがおったらどうすればいい? 才能を伸ばしてあげることなんてできるんかな…?

才能を伸ばそうと意気込むよりも、大切なことは子どもが安心して過ごせるクラス・学校をつくることやで。

安心して過ごせるクラス?

そう。そのために、ギフテッドの特徴や生きづらさを理解することが大切やで。
ギフテッドの特徴・生きづらさ
特徴① 非同期発達
発達が早い能力とゆっくりな能力で大きな開きがある
特徴② 過度激動(かどげきどう)
まわりからの刺激に対して、精神的・行動的に過剰に反応してしまう

子どもが苦しんでても、問題行動がなければまわりの大人は気付きにくいから注意が必要やで。
特徴① 非同期発達

ギフテッドの特徴の1つ目は非同期発達。発達の非同期性とも言われるで。

言葉だけじゃよくわからんね。子どもの発達に関すること?
非同期発達(発達の非同期性)とは
発達が早い能力とゆっくりな能力で大きな開きがある

発達の進むスピードがアンバランスで、得意なことと苦手なことにめっちゃ差があるってことか。

得意なことと苦手なことを見るときには、次の4つがイメージしやすいで。
得意・苦手な能力
・知的能力(認知能力や言語能力)
言葉の習得が早いギフテッドは多い
・情緒
感情をコントロールする力
・社会的な能力
挨拶など、まわりと円滑に人間関係を結ぶ力
・運動能力

これらの能力って、普通は全体的に上がっていくんよ。でも、ギフテッドの子どもは得意な能力だけが上がって、他の能力との差が大きくなるんよね。

例えば、知的能力は得意で成績は良いけど、「同年代の子どもより幼い」とか「運動が苦手で不器用だ」ってなるってことか。

ただし、子どもによって得意と苦手な能力は違う、つまり個人差が大きいから、子ども自身を注意深く見ることが大事やで。
苦手な能力は【支援の入口】

その子が苦手な能力は、本人や親と話をするきっかけ【支援の入口】にしたらいいよ。

例えば、「体育で困ってるみたいやけど、家で何か言ってますか?」って、話すきっかけをつくるんやね。

個人差はあるけど、ギフテッドの子どもは運動能力が不器用なことが多いで。
運動能力の不器用さ
・ものをよく落とす
・ぶつかる
・けがをする
・字が汚い
・自転車に乗れない
・音楽やゲームがうまくならないなど

体育で運動能力の不器用さは見えやすいし、本人も困っている場合が多いから、話のきっかけにしやすいで。

そこから、「他に悩んでないか?」って話を広げていくんやね。

ちなみに、運動能力の苦手さは、発達性協調運動障害(DCD)と診断されることもあるで。

発達性協調運動障害?

身体が動かすのが苦手で、ぎこちない動きや不器用さがある障害やで。問題点やトレーニングに興味があれば、次の記事を見てや。
得意な能力は【居場所づくり】

ギフテッドの子どもの悩みは「まわりと違う…」という異質感や孤独感やねん。だから、得意な能力はクラスでの居場所づくりに活かしたらいいよ。

ひとりぼっちを感じてしまうんか…。

そんなときは、得意を活かして居場所をつくることやで。例えば、知的能力が得意やったら、次のような方法が考えられるよね。
知的能力の得意を活かした居場所づくり
作品展/調べ学習コーナー/発表会
・詳細な自学ノート
・緻密な作品作り・模型作り
・収集コレクションなど

他の子どもが「おぉ!すごいやん!」ってなったら、本人もおりやすくなるよね。
特徴② 過度激動(かどげきとう)

ただ、ギフテッドの子どもって少しとっつきにくい気がするんやけど…。

それは特徴の2つ目過度激動が関係してるかもね。OE【Over Excitability】・超活動性・超興奮性とも言われるで。

初めて聞く言葉やわ。具体的にどういうこと?
過度激動とは
まわりからの刺激に対して、精神的・行動的に過剰に反応してしまうこと
➡人間関係や情緒面の悩みが強くなる

どんなことに過剰に反応するかで、5つのタイプに分けられるで。
過度激動の5つのタイプ
❶精神運動性
❷感覚性
❸想像性
❹知性
❺情動性
❶精神運動性 過度激動

精神運動性過度激動は、活動的でエネルギッシュなタイプやで。

エネルギーが有り余ってるんやね。

歩き回ったり、寝転んだりしながら、学習支援を受けてる子もおるで。

このタイプにはどう支援すればいいの?

エネルギーを向けられるものを見つけることやね。スポーツをしたり、好きなこと・楽しめることに打ち込む経験もいいね。
精神運動性過度激動
活動的でエネルギッシュなタイプ
➡エネルギーを向けられることを見つける
❷感覚性 過度激動

感覚性過度激動は、感覚が過敏なタイプやで。

何かを感じるのが得意なんやな。

感受性が強く、芸術的センスがあるで。ただ、まわりから見えづらいから、本人はストレスをためやすいんやなぁ。

このタイプにはどう支援すればいいの?

環境を調整することが一番やね。不快な刺激を取り除いて、好きな刺激を入れる。好きな小物を持ったり、好きな活動をするだけでもストレスを解消しやすいで。
感覚性過度激動
感覚が過敏なタイプ
➡環境を調整する
❸想像性 過度激動

想像性過度激動は、想像力が豊かなタイプやで。

イメージする力がめっちゃ発達してるんやね。

空想に入りこんで、まわりからはボーっとしているように見えるねん。幼児期にはイマジナリーフレンドっていう”想像上のお友達”がおることもあるで。

このタイプにはどう支援すればいいの?

教師が話すときは、「今から先生が話しますよ」とか「はい、ちゅうもーく」とか、こちらに注意を向けることが大事やね。
想像性過度激動
想像力が豊かなタイプ
➡こちらに注意を向けてから話しかける

このタイプの子どもは、想像力が豊かで不安も大きくなりやすいから、同級生や先生が相談相手になることも効果的やで。
❹知性 過度激動

知性過度激動は、論理的思考が大好きなタイプやで。

考えるのがめっちゃ得意なんやね。
知性過度激動の特徴
・なぜ?どうして?の質問が多い
・興味のあることを延々と話す
・納得していない活動には消極的
・読書好き など

このタイプにはどう支援すればいいの?

丁寧な話し合いなどで、子どもが納得できるまで話すことやね
知性過度激動
論理的思考が大好きなタイプ
➡子どもが納得できるまで話す

ただ、毎回、子どもが納得するまでじっくり話をすることは難しいよね?

そんなときは、「話は○分までね」とか「今は○○の時間やから、しゃべらない」とか、話の終わりをしっかり伝えることも大事やで。

こっちがイヤな顔をしても、なかなか通じなくて、ひたすらしゃべってくることもあるからね。
❺情動性 過度激動

情動性過度激動は、感情の起伏が激しいタイプやで。

良くも悪くも自分の感情をさらけ出すのが得意なんやね。

このタイプは、ポジティブもネガティブも、どちらの感情も激しいんよ。だから、まわりの人も疲れたりイライラしやすいねん。

このタイプにはどう支援すればいいの?

エネルギーを向けられるものを見つけることやね。スポーツとかがオススメやで。
情動性過度激動
感情の起伏が激しいタイプ
➡エネルギーを向けられることを見つける

このタイプは、まわりの子どもも振り回すから、まわりの子どもへのサポートも大切になってくるで。

まわりの子どもの話をしっかり聞いてあげることが大事なんやね。
「おもしろい」と関心を持つのが対応のポイント

タイプ別に支援の方向性が違うんやね。普段、接するときに気をつけることはある?

ギフテッドの子どもは、大人から見るとよくわからない行動をすることがあるねん。

なんか突拍子もない行動をするイメージはあるなぁ

でも、ギフテッドの子どもはその子なりの理由があって動いてることが多いねん。価値判断が大人とは違うだけなんよね。
ギフテッドの子どものよくわからない行動
その子なりの理由があって動いている
➡子どもの価値観や想いをくみ取ることが大切

子どもの価値観や想いをくみ取るためには興味を持つことやで。そのために、「おもしろいなぁ」って関心を持つことがポイントやねん。
事例:給食に出てきた大豆


ギフテッドの子どもは、思いついたことを実際にやっちゃうっていうおもしろさがあるんよね。
給食に出てきた大豆をきな粉にしたい
①生徒:ある日の給食の時間。大豆のいり豆を砕きだした。
➡先生の心の声(なんかしとるなぁ)
②生徒:家から持ってきた砂糖を投入!
➡先生の心の声(家から持ってきた?何が起きるんや?ワクワク)
③先生:「どうしたん?何してるん?」
生徒:「いり豆が苦手なので、きな粉をつくってみました」
➡先生の心の声(おもしろい発想やなぁ)

先生は怒るモードでもほめるモードでもなく、まずは受け入れてあげるんやで。
対応1:許容範囲なら見守る

ギフテッドの子どもの行動が、やってもOKな内容やったら見守ってたらいいで。

子どもが楽しんでたら、わざわざ口を出さなくても良いってことやね。

その行動を広めたいなら、クラス全体で共有してもいいね。

「きな粉って大豆からできるの?」って反応してもいいかもね。最終的に、クラスで大豆をつくって、みんなできな粉をつくったりして・・・♪
対応2:ダメならダメと伝える

ギフテッドの子どもの行動がダメなことやったら、ダメと伝えればいいで。そのときに、理由をつけるとベターやな。

理解力が高いから、ダメな理由をちゃんと伝えればいいんやね。
学校に砂糖を持ってくるのがダメなら…
ダメだと言葉で伝える
➡先生「おもしろい取り組みやけど、学校に砂糖持ってきたらダメやなぁ」

でも、こんな言い方じゃ納得せんやろ?

そんなときは代わりのアイデアをその子に聞くと良いで。「あなたも先生も納得できる良い方法があるかな?」って。

子どもと一緒に考えていけば良いんやね。
代わりのアイデアを子どもと一緒に考える
◎先生が砂糖を預かる
◎みんなできな粉をつくってみる
◎適切な砂糖の量を自学ノートで発表する など

できそうなアイデアは実際にやってみるといいよね。
さいごに

最初からうまくはいかない、と覚悟して試行錯誤していったらええで。行動していくことで、気づけば「あれ?うまく関係を築けてる…」と実感しているはずや。

うん、実際にいろいろ試してみるぞー。

小さな積み重ねを続けて、大きな変化を生み出していこう♪今の行動がより良い未来につながってるんやで(^^)/








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