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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。
愛着障害の子どもをほめるときに気をつけることってある?
うん。今回は次のことを解説するで。
●ほめるときに心がけること
●支援の進め方とほめ方のコツ
こんな方に読んでほしい
●愛着障害の子どものほめ方を知りたい
●子どもの問題行動に悩んでいる
●発達障害の対応がうまくいかない
●支援のレベルアップをしたい
今回の記事を理解することで、子どもの問題行動を減らしていくことができます。
絶対にできるようになるからね!
今日は3冊から学んできたよ♪
👆子どもの愛着障害を解説した本。子どもへの支援方法やほめ方を具体的に知りたい人にオススメやで。
👆学校の先生向けの本。愛着障害の子どもとの関係づくりやクラスづくりについて書かれてるから、「いっぱい子どもがおる中で愛着障害の子どもと関わらなあかん!どうしよう?っていう人にオススメ。放課後等デイサービスの先生にもオススメやで。
👆大人の愛着障害の入門書。マンガでわかりやすく書かれているから、大人の愛着障害の全体像を押さえたい人や安全基地について知りたい人にオススメやで。
▼愛着障害の子どもの特徴と支援の注意については下の記事でまとめています▼
▼この記事の動画版もあります▼
▼今回の内容を1枚にするとこんな感じ▼
※高画質な画像はX(旧ツイッター)でアップしています。https://x.com/manabu_syogai/status/1835851935536361619
ほめるときに心がけること
愛着障害の子どもをほめるときの心がけってなに?
ほめるときには2つの心がけが大事やね。①その子の安全基地になる
②先手の支援で主導権をとる
心がけ① 安全基地になる
愛着障害の克服のキーワードは【安全基地】なんよ。
安全基地?なにそれ?
安全基地は、どんな自分でも無条件に受け入れてくれる心の拠り所のことやで。
言葉だけじゃイメージがつかんと思うから、安全基地の5つの条件について解説するわ。
安全基地の5つの条件
①【安全・安心】一緒にいて安心できる
②【応答性】求めたら応じてくれる(ただし、対応には注意が必要!)
③【共感性】自分のことをわかってくれる
④【安定性】穏やかで気分や態度が安定している
⑤【誠実さ】大事なことをちゃんと言ってくれる
【安全・安心】一緒にいて安心できる人
安全基地の条件①【安全・安心】
子どもが一緒にいて安心できる大人です。
例えば、
●子どもが困ったときや不安そうなときに、「大丈夫だよ」と言ってあげることができる。
●子どもの存在を否定しない。
【応答性】求めたら応じてくれる人(要注意!)
安全基地の条件②【応答性】
子どもが助けを求めたときに応えてくれる大人です。
※ただし対応には注意が必要です。対応を間違えると子どもの愛着障害が悪化する可能性があります。
「したらダメ!」な対応
・ひたすらほめる、甘えさせるだけの対応はダメ!!
・子どもの話を傾聴してはダメ!!
ひたすらほめる、甘えさせるだけはダメ!!
ほめたり甘えたりは良いと思うけど…、なんでダメなん?
ひたすらほめる、甘えさせるだけやと、子どもの行動やわがままがどんどんエスカレートしてしまうからやねん。
最終的に実現不可能な欲求や大人への命令にまでエスカレートし、実現されなければ暴れまわります。
愛着欲求行動っていう言葉を覚えといたらいいで。これは愛着障害の特徴の1つやねん。
愛着欲求行動とは?
①注目されたいアピール行動
周りからの注目を浴びるためにする行動です。例えば、静かな場所で大きな音や大声を出す、いたずらをする、わざとけがをするなど。
②愛情試し行動
わざと相手の反応(怒らせたり、困らせたり)を引き出すようなふるまいをして、どう反応するのかを試す行動です。試し行動に対しては、「それはダメだ」と伝えることが必要です。
▼愛着障害の特徴については下の記事で解説しています▼
子どもの話を傾聴してはダメ!!
子どもの話をよく聞いてあげることはなんでダメなん?
子どもによっては有効な場合もあるけど、愛着障害の子どもには逆効果やねん。
子どもを話に共感しながら注意深く聞くことを傾聴と言います。教育現場では「傾聴は大事だ」と言われています。しかし、愛着障害の子どもに効果はなく、逆に症状を悪化させることもあります。
なんで逆効果なん?
傾聴の良いところは、子どもが話をすることで自分の気持ちに気付いて状況を整理できるところやねん。でも、愛着障害の子どもは「自分の気持ち」がよくわからんねん。
愛着障害は、自分の感情整理が苦手なため【感情発達の障害】とも言われます
【感情発達の障害】とは?
愛着障害の子どもは、感情や情緒(喜び、悲しみ、怒り、恐怖、不安など)を伝えることが苦手です。親の死別・離別、虐待、ミスマッチ、自閉スペクトラム症などで、身近な人と気持ちや感情を通わせることができなかったためだと考えられます。
なるほど!子どもの気持ちや感情を丁寧に聞き取っても、愛着障害の子どもは「わからない」という思いだけが増していく。だから、よけい混乱したり、パニックになっちゃうってことか。
「けっきょく、どうすればいいんじゃー!!!」と暴れることになっちゃうんよね。
※子どもによって、傾聴が有効なときと逆効果なときがあることを理解しておきましょう。
じゃあ、先生が傾聴するかどうかはどうやって決めればいいん?
迷うんやったら最初は傾聴してみたらいいで。ただ、話を丁寧に聞き取ってるのに、泣いたり怒ったりして話にならんかったり、パニックになったりしたら、次からはやめたらいいんや。
【共感性】自分のことをわかってくれる人
安全基地の条件③【共感性】
自分のことをわかってくれる人
➡子どもの感じたことや気持ちを理解し、伝えてあげることができる大人です。
「子どもの気持ちを理解して伝える」って…。簡単に言うけど、けっこう難しいやん?
そら100%理解するなんて不可能や。だから、間違っても良いから「こんな気持ちやんなぁ」と伝えたらいいんや。全然違ったら、子どもから「違う!!」って主張するから。
【安定性】穏やかで気分や態度が安定している人
安全基地の条件④【安定性】
いつも穏やかで、気分や態度が安定している人です。
➡子どもから話しかけやすく、一緒にいて落ち着くような大人です。
【誠実さ】大事なことをちゃんと言ってくれる人
安全基地の条件⑤【誠実さ】
大事なことをちゃんと言ってくれる人です。
➡子どもに甘いということではなく、悪いことや危険なことをしたときに「ダメなことはダメ」と言ってくれる大人です。
安全基地についてもっと知りたい人は下の本がオススメやで。
心がけ②先手の支援で主導権を取る
大切な心がけの2つ目は、先手の支援で主導権を取るということ。
後手の対応ではうまくいかないことが多いんよね。
後手の対応とは…
子どもの要求に対して大人が対応することです。
【子どもの要求や行動➡大人の対応】
※後手の対応では、ほめても、叱ってもうまくいきません
愛着障害の子どもに「何がしたい?」と聞くのもダメやねん。聞いてしまうと、その後の行動がすべて後手の対応になってしまうからね。
後手の対応ではなく、先手の支援
子どもにやりたいことを聞いたらダメなんやったらどうすればいいの?
そこで先手の支援や!先手の支援では【子どもの要求・行動】の前に【大人の要求】を入れることを意識するんやで。
後手の対応は…
【子どもの要求・行動➡大人の対応】
先手の支援は…
【大人の要求➡子どもの要求・行動➡大人の対応】
例えば…
●「何をしたらほめられるか?」「何をしたら怒られるか」のクラスのルール(=大人の要求)をあらかじめ伝える。
●子どもにクラスの係などの簡単な役割を与える(=大人の要求)。
※【大人の要求】に沿って、子どもの行動をほめる・叱る。
じゃあ小さい子どもが「抱っこして!」って急に飛びついてきたときとかは先手は難しいかな?
そんなときは、抱っこして子どもの接触したい欲求をまずは満たしてあげたらいいんや。
でも、その後に「次は握手しようよ!」と言って先手の支援につなげていくんがポイントやな。
逸らしの支援
でも、子どもが問題行動をしてるときに先手の支援をしようとしてもはなかなか難しいよね…?
そんなときは【逸らしの支援】を意識したらいいで。
逸らしの支援とは、不適切な行動を別のことに逸らす支援の方法です。
例えば、
●子どもが廊下を走っている…
➡「走ったらダメ」ではなくて、「歩こうよ!」と声掛けをして歩き出したらほめる。
●子どもが教室を飛び出した…
➡「飛び出したらダメ!!」ではなく、「○○するために教室に行こう」と声掛けをして、○○ができたらほめる。
ほめるときは「ありがとう」「助かったよ」の一言で良いよ!
逸らしの支援の良いところ
●怒らずに問題行動をやめさせることができる
●その後の行動をほめることができる
逸らしの支援も「子どもの行動」の前に「大人の要求」を入れることやねん。
だから、先手の支援で大人が主導権を取ることにつながるんやな。
なるほど。逸らしの支援は先手の支援の仲間やっていうことやね。
先手の支援について詳しく知りたい人は下の本がオススメやで
支援の進め方とほめ方のコツ
じゃあ、具体的な支援の進め方についてはどうすればいいの?
具体的な支援の進め方とほめ方のコツ
Ⅰ.関係づくりは1対1からスタート
Ⅱ.感情を学習させる
Ⅲ.ほめ方のコツ
Ⅳ.支援はどのフェーズからでも良い
(進んだり戻ったりしながら支援しよう)
Ⅰ.関係づくりは【1対1からスタート】
支援のスタートは、1対1で愛着を結ぶことやね。
「大勢の人と一気に仲良くなれ」って言われても無理やろ?
子どもと愛着を結んでいくときのポイント
①キーパーソンを決定する
②1対1で一緒の活動をする
③入口と出口の支援
①キーパーソンを決定する
まずは、その子と1対1で愛着を結ぶキーパーソンを決定すること👍
キーパーソンってなに? キーって鍵? パーソンは人? 鍵になる人ってこと?
キーパーソンとは…その子どものことを1番よく知っている人です。
※担任や担当している先生などがキーパーソンになりやすいです。
➡キーパーソンを決めたら、その子の情報をすべてその人に集約することが大切です。
先手の支援のところでも少し言ったけど、愛着障害の子どもを支援するときには、子どもに「何をしたい?」と聞かないことがポイントやねん。さらに、何をしたいかは聞かないけど、その子が興味のある活動をすることが大事なんよね。
むつかしっ!難易度たかしさんやな。
だから、キーパーソンにその子に関する情報を集約する必要があるんよね。間違えてもいいからやってみたらいいよ。
②1対1で一緒の活動をする
愛着障害の子どもと関係を結ぶには、一緒に活動をして、感情を共有することが大切です。
【一緒の活動】のポイント
支援者と子どもが一緒に活動をすることで関係を結んでいくことができます。
一緒に活動をするときのポイント
●できれば1日1回以上行う
●できれば2人きりで行う
●「同じ方向を向く・さわる・つくる・できる」活動にする
➡工作、お絵描き、草むしり、料理などです。
※オセロ(勝敗がつく活動)や勉強(役割が固定される活動)などはオススメしません。
感情を共有する
一緒に活動するときに「うれしい」とか「楽しい」の感情を共有して関係をつくっていくんよ。
「傾聴はダメ」のところで愛着障害は感情発達の障害っていってたもんね。大人と一緒に感情とか情緒を学んでいく感じやね。
注意点としては、子どもに「どんな気持ち?」と聞いたらダメやってことやで。聞いたらよけいに混乱しちゃうから。
こっちも難易度たかしさんやな。
だからここでもキーパーソンが大事になってくるんよね。ポイントとしては、大人が感情を教えるようなイメージで言葉をかければいいよ! 例えば、「今の気持ちは『楽しい』っていうことだよ。」とか「これが『うれしい』っていう気持ちだね。」などなど。
③入口と出口の支援
でも、どうやったら子どもと1対1の時間を取れるんやろ?
子どもって「えこひいき」を嫌がるから、呼び出しはしにくい…。
そんなときにオススメなのが、入り口と出口の支援やね。
学校を例にすると【入口は登校するとき】【出口は下校するとき】です
●【入口】子どもが登校したときに1人1人にあいさつで声掛けをする。
●【出口】下校のときに少し呼び止めて、1日を振り返る。
※子どもに気持ちを聞かず、大人から「こんな1日だったね」と振り返ることがポイントです
子どもがいっぱいいても、比較的自然に1対1の関係をつくっていくことができるで。
Ⅱ.子どもに【感情を学習】させる
子どもとの1対1の時間のときに、気をつけるポイントとかある?
それは感情を学習させることやね。
ポイントは4つあるで。
感情を学習させるポイント
①一緒に活動をする
②感情を言葉で確認する
③行動―認知―感情をつなげる声掛け
④子どもに対して一貫した反応をする
①一緒に活動をする
工作・お絵描き・草むしり・料理など「同じ方向を向く・さわる・つくる・できる」を意識して一緒に活動できる内容を考える。
②感情を言葉で確認する
一緒に活動をしてるときは、子どもの感情を見逃さず、言葉にして確認することが大事やで。
例えば、子どもが笑っていたら、
・「〇〇して楽しいね!」「一緒にできてうれしいね!」と言葉にすることが大切です。
※感情や気持ちを教える意識で言葉をかける。
➡このスッキリはうれしい気持ちだね。
ただ、このときも子どもに気持ちを聞いたらダメなんやろ?愛着障害は感情発達の障害やから余計に混乱しちゃうもんね。
子どもの気持ちを言い当てるために必要なのは、その子の情報を集めることと、子どもに「違う!そんな気持ちじゃない!」と言われてもめげずに言い換えることやね。
「違うんかぁ~、じゃあ楽しいって気持ちかな」とかって言い換えればいいんか。なるほどね!
③行動―認知―感情をつなげる声掛け
行動と認知と感情? わかるようなわからんような…、特に認知ってどういうこと?
草むしりを例にして考えてみましょう
行動(同じことをした):子どもと一緒に草むしりをした。
認知(同じことが起こった):庭がきれいになったのを一緒に見た。
感情(同じ気持ちになった):一緒にできてうれしいね!
具体的な声掛けとしては、「先生と一緒に草むしりをして、庭がきれいになったね。うれしいね!」っていう感じかな。
「先生と一緒に」って、ちょっとしつこいし、わざとらしくない?
ちょっと文章は長くなるけど、行動ー認知ー感情をつなげるときにはけっこう有効なんやで。
④子どもに対して一貫した反応をする
一貫した反応?
子どもが行動をしたときに大人は同じ反応・対応をするってことやね。
大人が全然違う反応をしてしまうと信頼関係を損なってしまうかもしれません
●工作を母親に見せた時に、1回目はすごく喜んでくれたのに、2回目に見せたら「もう見たよ。またつくったの?」と言われた。
●1回目○○をしたら先生はほめてくれたのに、今回の先生の反応はなんかつめたい…。
➡これらの対応は、子どもがよけいにガーン😨と落ち込んでしまうのです。
同じ反応をすると考えると、最初に反応しすぎたら後がつらくなっちゃうから、持続できるぐらいのリアクションで抑えておこうね。
頑張らんでいいんやね。ほどほどで楽にいこ~!っちゅうことやね。
必要な人はチェック:表情が出せない子どもには【いないいないばぁ】
表情を出すのが苦手な子どもっておるやん? 楽しいのに楽しい表情ができない。悲しいのに悲しい表情ができない。そんな子にはいないいないばぁが有効やで。
いないいないばぁの良いところ
●同じ活動を一緒にしている。
●手で隠れた顔が毎回出てくるという安心感につながる。
赤ちゃんにやるイメージやけど…
それが年齢が高くても効果があるねん。意外と盛り上がることもあるしやってみて♪
Ⅲ.ほめ方のコツ
支援を進めていく中で、愛着障害の子どもをめっちゃほめたいときがあるんやけど、うまくほめれてるか心配なるんよね。ほめ方のコツとかある?
あるで♪ 今回は、ぜんぶで7つのコツを伝授するわ!
どんな子どもにも有効なほめ方(1~4)
まずはどんな子どもにも通用するほめ方のコツを4つ紹介や!
①具体的にほめる
✖「しっかり歌えているね」ではなく、
➡「大きな声で歌えたね」や、「良い姿勢で歌えているね」
②ほめるときは1つだけ
✖「座りながらだまってプリントできたね」ではなく、
➡「だまってできたね」や「座ってできたね」
今後してほしいことを1つだけ選んでほめることやで。伝えたいことは1つにしぼる!
③すぐにほめる
✖「この前、○○できていたね」ではなく、
➡(今、)「○○できたね」
④良い変化をほめる
「最近、自分のしたいことが言えるようになってきたね!」
※ただし、ほめるタイミングが難しい。
➡定期的に関わるお医者さんや支援員さんが適任。
愛着障害の子どもに有効なほめ方(5~7)
次は愛着障害の子どもに有効なほめ方のコツを3つ紹介やで。
⑤ポジティブな感情を言い当ててほめる
△「○○してほめられたね」
➡「○○してほめられて、うれしいね!」
⑥先に行動を促し、できたらほめる
「歩くよ! よし。列になって歩けるね。」
⑦キーパーソンとの関係性を確認してほめる
「先生と一緒にすると楽しいね。」
愛着障害の子どもをほめるときの声掛け
例えば合唱で、
背中を伸ばして⑥!うん、良い姿勢で歌えて気持ちいいね⑤。先生と一緒に⑦歌うと楽しいね
長すぎん? 毎回こんな長いほめ言葉を伝えるのは難しいなぁ…。
もちろん、状況に応じてアレンジしぃや。ただ、理想のほめ方をしっておくことは大事やで。上の4つのコツもあわせて、愛着障害の子どもをほめるときは7つのコツを意識したらええで。
ほめ方をもっと知りたい人は下の本がオススメやで
Ⅳ.支援は行きつ戻りつ進む
愛着障害の子どもと接する自信が少し出てきたぞ。ただ、支援の全体像はどんな感じなん?
支援には5つのフェーズ(段階)があるんよ。子どもの状況を見ながら進めていこう♪
フェーズ0️⃣安心できる場づくり
フェーズ1️⃣子どもの感情学習の支援
フェーズ2️⃣行動を学習させる支援(大人主導で子どもが主体)
フェーズ3️⃣他者との関係づくりの支援
フェーズ4️⃣子どもの自立の支援
フェーズ0⃣ 安心できる場づくり
このフェーズは子どもが安心できる場をつくるフェーズ。特に、人との距離感が遠すぎる子どもの支援で注意する必要があるんよ。
人との距離が遠すぎる愛着障害のタイプ:回避型・抑制型・反応性愛着障害(RAD)
このタイプの子どもの特徴
●距離を置いた人間関係を好む。
●人間不信で警戒心が高い。
●人とのかかわりを避けようとする。
※このタイプを不用意に叱ると、長期にわたってその人との関係を一切遮断します。
例えば、母親と2年間口をきかないことや担任の先生と半年以上しゃべらないこともあります。
(ここでは自分のことを話せるかも)(笑ってもいいかも)(泣いてもいいかも)と思えるような、子どもが感情を出せる安心の場づくりを意識する。
フェーズ1⃣ 子どもの感情学習の支援
このフェーズは子どもに感情を学習させていくフェーズ。具体的には「1対1の関係づくり」を意識した体制をつくることやね。
キーパーソン決めるってところやね。
その子のことは○○先生(キーパーソン)が一番よく知っているっていう状況をつくることやね。そんな支援の体制をつくった上で感情を学習させていくフェーズやで。
フェーズ2⃣ 行動を学習させる支援(大人主導で子どもが主体)
このフェーズは子どもができる行動を増やしていくフェーズ。具体的には、キーパーソンが先手の支援で主導権を握って、子どもにいろんな行動を経験させる支援をしていくことやね。
子どもの要求の前に大人の要求を入れるっていうのが先手の支援やったね。大人の要求によって子どもの行動の幅を広げていくってことか。なるほどね~。
フェーズ3⃣ 他者との関係づくりの支援
これまでの0️⃣~2️⃣のフェーズは1対1の関係づくりがメインやねん。フェーズ3️⃣では、ついに周りとの関係づくりを意識するフェーズになってくるねん。
ふむふむ。具体的には?
具体的には、キーパーソンが橋渡しをして子どもと周り(友達や他の大人)との関係をつくることや、子どもが挑戦する姿を近くで見守る(フォローや報告をさせる)ことやね。
フェーズ4⃣ 子どもの自立の支援
このフェーズは、愛着障害の子どもが一人で考えたり行動できるようにしていくフェーズやで。
なるほど。キーパーソンからどんどん離れていくんやね。
このフェーズになると、子どもにやりたいが芽生えたり、キーパーソンから離れて行動することが少しずつ増えてくる。ただ、子どもは「○○してもいい?」と聞いてくるんやね。何度聞いてきたとしても「いいよ」と伝えてあげることが大事やねん。
子どもの「○○してもいい?」という確認行動を参照視と言います。
子ども自身が「99%、○○しよう」と決めていても、背中を押してもらうために最後の1%を大人に確認する行為です。(行ってもいい?してもいい?と確認してきます)
このフェーズでもう一つ大切なことは、キーパーソンの引継ぎやで。
キーパーソン引継ぎの方法
新年度で学年が変わったり、キーパーソンが異動したときには引継ぎが重要です。具体的には、子ども・旧キーパーソン・新キーパーソンでこれまでの約束やできたことを確認します。
➡引継ぎを通して、子どもの愛着形成を「1対多」に広げていくように意識します。
補足:二度目の試し行動
支援するうえで覚えてほしいことは【二度目の試し行動】やで。
二度目の試し行動
関わりはじめによく見られる「愛情試し行動(大人をわざと困らせる、怒らせる、言われたことと逆のことをする、など)」が、子どもと関係ができたころに再び出てくることがあります。
その子と一緒にできてたことやのに、「またできなくなった~」ていう感じやね。
でも、二度目の試し行動は子どもと関係がつくれてきた証拠やから、ここであきらめずに支援を続けることが重要やで。二度目の試し行動をクリアすると、この後の愛着修復がぐっと進んでいくからね。もうちょっとやで!
子どもは、(この人はほんまに信頼できるんか?)って最終チェックしてるんやな。
支援の進め方をもっと知りたい人は下の本がオススメやで。
さいごに 思いついたことはなんでもやってみよう
ありがとう。愛着障害の子どものほめ方とか支援の仕方がわかってきたぞ!
大まかに理解できたら、次は行動あるのみやね。
最初からうまくはいかなくても、試行錯誤を繰り返すことで気づけば、「あれ?うまく関係を築けてる…」と実感しているはずです。
今の小さな積み重ねが、どんどん大きな変化を生み出して、より良い未来につながるんやで(^^)/
▼愛着障害について知りたい人は以下の記事も見てください▼
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