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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。
起立性調節障害ってなに?
今回は、小学生高学年~高校生で遅刻・欠席の原因とも言われる起立性調節障害について学んでいこか。
こんな方に読んでほしい
●起立性調節障害の原因や支援のポイントを知りたい
●子どもの遅刻や欠席が増えてきた
今回の記事を理解すると、子どもへの支援の道筋をつけることができます。
絶対できるようになるからね!
今回は下の3冊から学んできたよ♪
詳しく勉強したい人にオススメ。症状・治療方法・日常生活でのサポートなど盛りだくさんの一冊。
起立性調節障害の全体像をサクッと知りたい人にオススメ。親が学校に希望することも書かれてるから、親と信頼関係を結ぶのに役立つで。
作者自身が起立性調節障害に苦しんできた過去を振り返るマンガ。子どもの悩みや苦しみってどんなことかな?と知りたい人にオススメやで。
がっつり勉強したい人は1冊目がオススメ。全体像を理解したい人は2冊目か3冊目が良いってことやね♪
▼この記事の動画版もあります▼
▼今回の内容を1枚にするとこんな感じ▼
※高画質な画像はX(旧ツイッター)でアップしています。https://x.com/manabu_syogai/status/1835855072393318675
起立性調節障害とは
起立性調節障害ってなんなん?
体調不良で朝起きれなくなって、遅刻や欠席を繰り返してしまう病気やで。
もっと詳しく教えてちょんまげ。
起立性調節障害の症状
体調不良って言ってるけど、具体的にどんな症状が出るの?
起立性調節障害の症状
①めまい、立ちくらみ、倒れる
②立っていると気持ちが悪い、吐き気
③どうき・息切れ
④食欲がない
⑤時々強い腹痛に襲われる
⑥疲れやすい
⑦頭痛
⑧記憶力・思考力・集中力の低下
(ぼんやりして授業に集中できない)
こんな症状が朝に出ることが多いで。学校を休んだり、来てもぼんやりしてて授業に集中できないんよ。
起立性調節障害の原因
なんでこんな体調不良が起こるん?原因はあるん?
起立性調節障害の原因
自律神経の乱れで血がうまくまわらず、脳に必要な血や酸素がとどかないこと
起立性調節障害が起こるメカニズム
①朝起き上がると、頭から足に血液が移動する(上半身が一時的な貧血状態)
②一般的にはすぐに治るが、自律神経が乱れていると上半身に血液が戻ってこない
③脳に血や酸素がまわらず、頭痛などの体調不良が起きる
朝の貧血がずっと続いてるみたいな感じか。それはしんどいな。
起立性調節障害のはじまり
起立性調節障害は、血圧をコントロールする自律神経がうまく機能していない状態なんよ。だから、自律神経が乱れやすい思春期に発症するんやで。
起立性調節障害の発症
小学5年生~高校生ごろにはじまる
➡朝起きれず、遅刻や欠席を繰り返す
思春期のまっただなかやね。
気持ちの面で「学校に行きたくない」と思ってることもあるんやけど、起立性調節障害やと実際に体調が悪くなるねん。
体調不良が出やすい時間/時期
症状が一番ひどくなるのは、起きてすぐの時間帯。そして、午後から夕方には軽くなっていくんやで。
体調不良が出やすい時間/時期
①朝や午前中
➡午後から夕方には症状は軽くなる
②台風前・梅雨の時期
➡気圧が下がり、自律神経が乱れやすい
やっぱり自律神経が乱れやすい時間や時期に体調が悪くなるんやな。
逆に、自律神経の調子が良いときは来れる。例えば、身体が興奮してて、自律神経が活発になる行事の日は、朝から来れたりするんやで。
たくさんの子どもが悩んでいる
起立性調節障害って新しい病気なん?
昔は【なまけ病】とか【不登校の症状】って言われてきてん。最近になって、それが病気やと認知されてきたって感じやな。
起立性調節障害が広まった理由
①新しい検査方法が登場した
②苦しんでいる人が多い
新しい検査方法?
理由①新しい検査方法が登場したから
正確な診断ができるようになった
➡『小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン』(医者向け)の作成
2007年 一般外来向けのガイドライン
2012年 専門医向けのガイドライン
➡ガイドラインが広まり認知されてきた
起立性調節障害が気になるときは、まずは小児科か内科に行ったらいいんやで。
理由②「苦しんでいる人が多い」っていうのはどういうこと?
理由②苦しんでいる人が多いから
◇10代の10人に1人が発症する
◇なまけ・サボりと誤解される
ちなみに、大人になっても起立性調節障害の症状が続いてる人もいるんやで。
たくさんの人たちが苦しんでるんやなぁ。
起立性調節障害の苦しみは、このマンガで体験談がリアルに描かれてるから興味のある人は読んでみてや。まわりの誤解が悪循環を生んでいくんよ。
起立性調節障害への対応
起立性調節障害の子どもにはどう対応すればいい?
悪循環を起こして重症化しやすいから環境を整えることが大切やで
悪循環を起こして重症化しやすい
起立性調節障害はどんどんどんどん重症化していくねん。
悪くなっていくってこと?
悪循環で重症化していく流れ
1.体調不良
↓
2.遅刻や欠席が増える
↓
3.先生や保護者に理解されない
↓
4.不安定になる(反抗期も重なる)
↓
5.症状が悪化
↩ 再び「1.体調不良」に戻る
もっと詳しく教えてちょんまげ。
1.体調不良
・朝が起きれなくなる
脈が速くなる、どうき、息切れ など
・脳の血流低下
集中力・記憶力・学力・気力が低下する
(*´Д`) なんかしんどいなぁ。朝は起きれないし、授業も集中できない。
2.遅刻や欠席が増える
友人から孤立、学業の遅れ、自信喪失
3.先生や保護者に理解されない
サボり?なまけ?と誤解される
(午後や夕方は元気になっている/行事の日は学校に行ける)
4.不安定になる(反抗期も重なる)
誤解され、無力感やストレスが増す
(*´Д`) 勉強についていけない…。親も先生も苦しみをわかってくれないし、イライラする。
5.症状が悪化
・運動不足(家から出ない)
体重増加や不健康で、体調がさらに悪くなっていく
・遅刻と欠席で、サボりだと誤解される
学校に行けず、自分に自信がなくなる/友達がいなくなる
・親子関係の悪化で余分なストレス
ストレスによって体調がさらに悪化する
(*´Д`) 朝の体調は最悪。まわりからもサボりと思われてるし、もうイヤや。
1~5をくり返して重症化していくんやな。
重症化させない環境づくり
重症化させないためにはどうすればいいの?
悪循環の流れを切ることやね。そのために、まずは親や先生が起立性調節障害について理解することが大事。
起立性調節障害に対する理解
◇なまけやサボりではない
・遅刻、欠席が増える
・授業中にぼんやりしている
・行事の日だけ登校できる
◇午前中が特にしんどい
・脳の血流が下がり、朝起き上がるのが難しい
学校が実際にしておく準備ってある?
学校で受け入れる準備
◇身体を横にして休める場所をつくる(保健室など)
・脳に血がめぐり、身体が元気になる
・いつでも休める安心感で楽になる
◇1時間ごとに水分補給をすすめる
・水分は血のめぐりをよくするために必要不可欠
すでに学校に来れていない場合は、登校できる日を増やすことがポイントやで。
登校できる日を増やす
生活リズムをつくる
➡「週に1回、学校に5時間いる」よりも「週に5回、学校に1時間いる」を目指す
クラスメイトへの声かけ
クラスで受け入れるときには、なにか気をつけた方がよいの?
他の子どもに起立性調節障害を説明することやな。「あの子はサボってる」という誤解を解いて、協力体制をつくることができれば価値ありや!
クラスで障害を説明するメリット
・本人が安心しやすい
・友達の理解で、本人の孤立を防ぐ
・他の子どもに協力を求めやすくなる(納得して協力してくれる)
具体的な説明方法は、本人と相談して決めていったらええで。
本人と相談するためにも、説明のテンプレートとかないの?
クラスで説明するときのテンプレート
1.障害の原因と症状を説明する
例)Aさんは起立性調節障害という病気と闘っている。この病気は、朝、脳みそに血がうまくまわらなくて、フラフラしたり頭が痛くなる。だから、遅刻や欠席が増えている。
2.解決の方法を示す
例)でも、朝ゆっくり過ごすと元気になってくる。だから、遅刻しても良いのでAさんには来てほしいと思っている。
3.他の子どもたちにしてほしいことを伝える
例)そこでクラスのみんなには、Aさんが勉強などで困っていたら手伝ってほしい。Aさんも含めて、みんなが安心して過ごせるクラスにしていきたい。
小学校か中学校か高校か、そしてクラスの状況によって声かけの方法も変わると思うから、工夫してみてや~。
番外編:アルバイトも効果的?
高校生とか大学生やとアルバイトも効果的やで。起立性調節障害の人でもバイトには遅刻・欠席をせずに行ける人がおるんよ。
学校は行けないのに、バイトには行けるの?
バイトは好きな時間に入れれるから、行きやすいんよ。
アルバイトは悪循環を防いでくれる
生活リズムが整う
社会とのつながりを感じられる
ただ、本人がしたくもないのにバイトをさせても効果はないから注意やで。
本人が興味を持ちだしたら、無理のない範囲でスモールスタートやね。
さいごに
子どもと相談しながら、少しずつでもなにかしてみるわ!
今の小さな積み重ねが、よりよい未来につながってるんやで(^^)/
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