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このブログでは『特別支援教育』に関する情報をわかりやすく解説します。10年以上の教員経験を踏まえて、実践に役立つことを心がけています。
成績は良いんやけど、行動がちょっと気になる子どもがおる…。これがギフテッド?
理解を深めるために、ギフテッドの全体像と学校でできる支援を学んでいこか。
こんな方に読んでほしい
●「頭は良いけど、少し行動が気になる子ども」の対応に悩んでいる
●発達障害と似てるのに、発達障害の対応をしてもうまくいかない
●ギフテッドの子どもに何かしてあげたい
●保護者に「この子はギフテッドです」と言われて困っている
今回の記事をきっかけにギフテッドの子どもと良い関係を築いていきましょう。
絶対にわかるようになるからね!
今日は次の本から学んできたよ♪
マンガとシンプルな解説でわかりやすく書かれているで。ギフテッド本人や関係者の声も紹介されてるからギフテッドの全体像と現状を知りたい人におすすめ。
▼この記事の動画版もあります▼
▼今回の内容を1枚にするとこんな感じ▼
※高画質な画像はX(旧ツイッター)でアップしています。https://x.com/manabu_syogai/status/1835858491204141220
ギフテッドの子ども とは
ギフテッドってそもそもなんなん?
はっきりとは決まってないんやけど、①知能が高い、②配慮や支援が必要な子どものことやで。
ギフテッドとは?(生まれつきの才能を神様から贈られた(ギフトされた)という意味)
①知能が高いこと(内閣府の2022年調査ではIQ130以上)
※ただし、医学的な定義はない
②配慮や支援が必要なこと
配慮や支援が必要
配慮や支援っていうと成績の悪い子どもとか発達障害の子どもにするイメージやわ
昔は確かにそうやってん。でも最近は勉強ができる子どもへの支援も必要やって言われてるねん
◇文科省は2021年に「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」を立ち上げ、ギフテッドへの指導・支援を進めている
◇北欧ではギフテッドに対する教育整備がどんどん進められている
でも、ギフテッドの子どもってめっちゃ少ないんやろ?
IQ130以上の子どもでいうと50人に1人ぐらい(約2.3%)おるんやで
2クラスあったら1人ぐらいはおるって感じか。意外と身近におるんやな!
ギフテッドの特徴と生きづらさ
ギフテッドの子どもには「この才能をいかに伸ばすか」ってことを考えたらいい?
いや、才能を伸ばすことを考える前にすることがあるねん。それは、子どもが安心して過ごせるクラス・学校づくり。ギフテッドの子どもは実は生きづらさを抱えている場合が多いねんな。
ギフテッドの特徴・生きづらさ
●特徴①非同期発達:発達が早い能力とゆっくりな能力で大きな開きがある
●特徴②過度激動:周りからの刺激に対して、精神的・行動的に過剰に反応してしまう
※苦しんでいても、問題行動がなければまわりの大人に気づかれにくい
特徴① 非同期発達(発達の非同期性)
ギフテッドの特徴①非同期発達。子どもの発達に関すること?
ギフテッドの子どもは、発達が早くて得意な能力と発達が遅くて苦手な能力の差が大きいねん
能力とは
・知的能力(認知能力や言語能力)➡ギフテッドの子どもは言葉が早い子どもも多い
・情緒➡感情をコントロールする力
・社会的な能力➡挨拶をするなど、まわりと円滑に人間関係を結ぶ力
・運動能力
一般的に、能力は全体的に関連しながら発達していくんよ。でも、ギフテッドの子どもは得意と苦手がはっきりしてる子も多いから、得意な能力と苦手な能力の差が大きくなるんよね。
成績は良いけど…、「同年代の子どもより幼い」「運動が苦手で不器用だ」とかか。
◇ただし、得意・苦手な能力については個人差が大きいので、子ども自身をよく見る必要があります。
苦手な能力は【支援の入口】にしよう
その子が苦手な能力は、本人や親と話をするきっかけ(支援の入口)にしたらいいよ。
◇ギフテッドの子どもによくある運動能力の不器用さ
ものをよく落とす、ぶつかる、けがをする、字が汚い、自転車に乗れない、音楽やゲームがうまくならないなど【発達性強調運動障害(DCD)と診断されることもある】
➡体育や運動会などで運動能力の不器用さは見えやすい
➡本人も困っている場合が多く、今後の支援につなげやすい。
▼発達性強調運動障害(DCD)の問題点や改善トレーニングについては下の動画でまとめています▼
得意な能力は【居場所づくり】に活かそう
ギフテッドの子どもの悩みは「周りと違う…」という異質感や孤独感やねん。だから、得意な能力はクラスでの居場所づくりに活かしたらいいよ。
どうやって活かすの?
例えば、知的能力の得意を活かした居場所づくり
●詳細な自学ノート
●緻密な作品作り・模型作り
●収集コレクションなど
※それらを使って、作品コーナー、調べ学習コーナーをつくったり、発表会をする
他の子どもが「おぉ!すごい!!」ってなったら、本人にもまわりにも良い影響がありそう♪
特徴② 過度激動(OE【Over Excitability】・超活動性・超興奮性)
ギフテッドの特徴②の過度激動(かどげきどう)。 激しそうな漢字言葉やけど、具体的にどういうこと?
過度激動(OE)とは
周りからの刺激に対して、精神的・行動的に過剰に反応してしまうこと
※過度激動によって、人間関係や情緒面の悩みが強くなることが多い
過度激動(OE)には5つのパターンがあるんやで。
①精神運動性OE(過度激動):活動的でエネルギッシュ
運動量が過剰ってことかな。
活動的でエネルギッシュなタイプやで。歩き回ったり、寝転んだりしながら、学習支援を受けてる子もおるで。
このタイプにはどう支援すればいいの?
エネルギーを向けられるものを見つけることやね。スポーツをしたり、好きなこと・楽しめることに打ち込む経験もいいね。
②感覚性OE(過度激動):感覚が過敏
感覚が過剰ってことかな。
感覚が過敏なタイプやで。感受性が強く思いやりがあり、芸術的センスがあるで。ただ、周りから見えづらく、本人はストレスをためやすいんやなぁ。
このタイプにはどう支援すればいいの?
環境を調整することが一番やね。不快な刺激を取り除いて、好きな刺激を入れる。好きな小物を持ったり、好きな活動をするだけでもストレスを解消しやすいで。
③想像性OE(過度激動):豊かな想像力
想像力が過剰ってことかな。
想像力が豊かなタイプやで。空想に入りこんでボーっとしているように見えるねん。イマジナリーフレンドっていう”想像上のお友達”を持ってたりもするで。
このタイプにはどう支援すればいいの?
教師が話すときは、「今から先生が話しますよ」とか「はい、ちゅうもーく」とか、こちらに注意を向けることが大事やね。このタイプの子どもは、想像力が豊かで不安も大きくなりやすいから、同級生や先生に相談相手をつくることも効果的やで。
④知性OE(過度激動):論理的思考好き
知的な能力が過剰ってことかな。
論理的思考が好きなタイプやで。例えば、「なぜ?どうして?」の質問が多い・話すのが好きで興味のあることを延々と話す・自分が納得していない活動に消極的っていう特徴があるで。読書が好きな子が多いかな。
このタイプにはどう支援すればいいの?
丁寧な話し合いをして子どもが納得できるまで話すことやね
丁寧な話し合いをしてる時間はなかなかとれないな…
時間がないときや疲れているときは話を受け止めるだけで聞き流してもいいんやで。「へー、そうな風に考えてたんやね」と、話を受け止めるけど話が深まらないような返しが大事やね。笑
⑤情動性OE(過度激動):感情の起伏が激しい
感情が過剰ってことかな。
感情の起伏が激しいタイプやで。ポジティブもネガティブも、どちらの感情も激しいんよ。だから、周りの人も疲れたりイライラしやすいねん。
このタイプにはどう支援すればいいの?
エネルギーを向けられるものを見つけることやね。スポーツとかがオススメ。あと、まわりの子どもへのサポートも必要になってくるで。まわりの子どもの話もしっかり聞いてあげて。
接し方のポイント 「おもしろい」を切り口にする
タイプ別の対応はわかったんやけど、普段から接するときに気をつけることとかある?
ギフテッドの子どもと接しているときに悩むんが、大人から見るとよくわからない行動をするってことやねん。
なんか突拍子もない行動をしたりするイメージはあるなぁ
その子なりの理由があって動いてることが多いで。でも、大人とは違う価値判断で動いているから、実際にどう対応すればよいかがわからんのよね。
そんなときの対応のポイントとかある?
その子どもの価値観や想いをくみ取ることが大事やで。そこでオススメしたいのが、子どもの行動を「おもしろいなぁ」っていう切り口見て、興味を持つってことやねん。
対応例:給食に出てきた大豆のいり豆が苦手なAさん
Aさん:ある日の給食の時間。大豆のいり豆を砕きだした。
➡教師の心の中(なんかしとるなぁ)
Aさん:家から持ってきた砂糖を投入!
➡教師の心の中(家から持ってきたんかな!?マジか?おもしろいこと考えるなぁ)
教師:「どうしたん?何してるん?」
Aさん:「いり豆が苦手なので、きな粉をつくってみました」
➡教師の心の声(おもしろい発想するなぁ)
許容範囲なら見守る
やってることが学校やクラスとして許容できることやったら、そっと見守ってたらいいで。
その子が楽しんでたら、わざわざ口を出さなくても良いってことやね。
もし、他の子どもも興味を持ちそうなら共有したらええで。「きな粉ってどうやってつくるん?」「クラスで大豆を育ててみるか」とかとか。
ダメなことはダメと伝える
ダメなことはダメと伝えたらいいんやで。できれば理由をつけるとベターやな。
理解力が高いからダメな理由をちゃんと伝えればいいんやね。
例えば「学校に砂糖をもってくること」がダメなら、きっちり伝える
教師:「でも学校に砂糖持ってくるのはダメやなぁ。勉強に関係のないことやから。」
これで納得したらええけど、そんな簡単に納得はしないやろ?
そんなときは代わりのアイデアをその子どもに聞くと良いで。「あなたも先生も納得できる良い方法があるかな?」ってね。
子どもと一緒に考えていけば良いんやね。
できそうなアイデアは実際にやってみるといいよね。例えば、「先生が砂糖を預かる」「授業できな粉をクラスで作る」「一番おいしい砂糖の量を自学ノートで研究する」とか…。アイデアを実行することで先生も子どもももっとおもしろくなる♪
さいごに
今回学んだことを活かして、実際に行動してみる!
最初からうまくはいかない、と覚悟して、試行錯誤をしていけばいいよ。少しずつでも行動していくことで、気づけば「あれ?うまく関係を築けてる…」と実感しているはずや。
よーし、やってみるぞ。
今の小さな積み重ねが、どんどん大きな変化を生み出して、より良い未来につながるんやで(^^)/
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